2021年09月25日

猫の多頭飼育崩壊 「飼い主探しノート」遠軽町の案件

9月15日(水)、16日(木)、紋別郡遠軽町の多頭飼育崩壊の猫の案件で、
遠軽町まで1泊2日で行ってきました。

皆さんも時折多頭飼育崩壊の
悲しい話を耳にされることもあるかと思います。

多頭飼育崩壊は圧倒的に猫が多いですが、
何故なら猫は繁殖力も強く年に2〜3回妊娠し、
4頭前後の子猫を産み、犬に比べて鳴き声などで
発見がしづらいことがあります💦

そして半年後には、
子猫だった猫も妊娠できる体になるため、
数年で途方もない数へと増加します。

昨年2020年3月に札幌市で起きた
札幌市最大の238頭の多頭飼育崩壊も
雌雄の猫が繁殖を繰り返し5年で膨大な数になり、
現場には、生き残ることが出来なかった猫たちの骨が
履き寄せられうず高くなっていました・・・。

当会は平日毎日保健所情報と
飼い主探しノートを当会のHPで更新していますが、
雌雄も分からない20数頭の猫が、
紋別郡遠軽町のお宅で飼い主募集されていたので驚き、
まずは繁殖を止めなければならないと、
オホーツク総合振興局さまに
不妊手術のご提案をさせていただきました。


@繁殖を止める

飼い主はご高齢の一人暮らしの方でしたが、
保健所に引き取っていただき飼い主募集するにも、
引き取り料(1頭2,100円)も毎月2頭分の予算しかない。
しかも、猫の繁殖が勝り一向に数は減らない。


A適正な飼育者を早期に探す

猫たちは適正に飼育されておらず、
この多数の猫を保護するにも
関係者が分担で保護する必要がありました。

この度の不妊手術は、
野良猫や多頭飼育崩壊の猫を専門に行っている
Mobile VET Officeの大門みゆき先生に
出張手術をお願いしましたが、
遠軽町役場の要請もあり、行政絡みの案件として、
17頭の猫の不妊手術と高齢のメス猫1頭の不妊手術済みかの
確認をしました。

飼い主探しノート掲載当初、猫は子猫を含め26頭いたそうで、
数年前は5頭くらいだったそうですから、
早期発見、早期の対応がいかに重要であることが分かります。

ここからは時系列で画像の説明です。

自治体の皆さまや多頭飼育の案件でお困りの方がいらしたら
参考にしていただければ幸いです。



kaijyou.jpg

会場の遠軽町社名公民館の体育館。

遠軽町の中心部からは車で15分ほどの山間部の廃校の建物です。

トイレ、水道、電気、休憩所もあり、広い屋内で作業もしやすかったです。

オホーツク総合振興局さま、遠軽町役場さま、当会の他に、
清里町の「動物病院ねこのてかりたい」の白岩先生も
奥さまと応援に駆けつけてくださいました。





jyunnbi.jpg

大きなブルーシートを2枚敷いて、衛生的に管理できる手術場所を作りました。

この時期の北海道は、朝晩は少し冷え込みますが、
日中はまだ暖かいので動き易く、猫たちにとっても安心できる気温でした。





hokaku3.jpg

準備は8時半頃から開始し、9時頃に第1陣の猫が6頭到着しました。





hokaku4.jpg

オホーツク総合振興局さまと遠軽保健所の方が早朝から飼い主宅で、
汗と猫まみれになりながら捕獲してくださいました。





hokaku2.jpg

いよいよ手術が始まります。

手術を待つ猫たちの、体重と性別を確認して体調も確認しました。





syujyutujyunnbi.jpg

捕獲した猫たちが不妊手術を待ちます。






syujyutu.jpg

大門みゆき先生の手術は、とても丁寧で的確で手早いので、
サクサクと不妊手術が進んでいきました。





syujyutu2.jpg

猫はキジトラと白っぽいシャム系の子が多く、
1頭アメショーのような柄の濃いキジトラがいました。

キジトラとシャム系が交配していった猫たちでした。





jyutugo.jpg

麻酔が覚醒するまで待ち、容態に問題が無いか側に置いて確認しました。





mimisouji.jpg

tumekiri.jpg

その後、耳掃除と爪切りを白岩先生が実施してくださいました。





sannsya2.jpg

手術を終えた猫は、オス10頭とメス7頭、
飼い主が最初に飼育した高齢のメスが本当に不妊済みなのかは、
触診で確認できました。

猫たちは、不妊手術と抗生物質の注射をして、
体調が優れない猫には点滴をしていただきました。

こうした問題は、一つの団体や部署だけで解決するものではありません。

今回は、オホーツク総合振興局さま、
遠軽町役場の住民生活課と保健福祉課さまの行政の方々と
大門先生、白岩先生と協働で活動することが出来ました。

当会が提案させていただいて、
かかった費用も負担いたしましたが、
この案件の出口が見えた安堵感と
氷山の一角に過ぎない焦燥感と一体になる思いでした。

ですが、目の前の一歩から、
一角であっても実施する意味は大きいと思います。





okC3-7(修正)-1s.jpg

現在、遠軽町役場さまが管理をしている7頭は、
保健所に収容されるまでの間、
こちらの飼い主探しノートで出会いを待っています。


詳しくは以下からご覧ください。

file:///C:/Users/uesugiyukiko/Desktop/okC3-7(%E4%BF%AE%E6%AD%A3).pdf






シャム系しっぽ.jpg

shippo.jpg

当会では4頭のオスと2頭のメスを引き取りました。

この子たちは、推定1〜2歳のシャムトラのオスで、兄弟と思われるます。





キジトラしっぽ.jpg

kijitorashippo.jpg

kiji-4.jpg

キジトラは、1〜2歳のメスが2頭と2〜3歳のオスと8歳くらいのオスの4頭です。





kiji3.jpg

この子が8歳くらいのオスでFIV(猫エイズ感染症)が陽性でした。

痩せていたので、点滴をしていただきました。

どの子もそうでしたが、多頭飼育の猫の強烈な臭いと
痩せていて栄養が足りていない子ばかりでした。

また殆どが1〜2歳、2〜3歳の猫でした。




大門先生s.jpg

9月8日(水)付、北海道新聞朝刊総合面「ひと」に
今回ご一緒させていただいた
Mobile VET Officeの大門みゆき先生ご夫婦が掲載されていました。

大門先生は飼い主のいない猫や多頭飼育崩壊で行き場を失っている犬猫を専門に
不妊手術を行っている北海道で唯一の全国的にも珍しい獣医さんです。

当会でも、野良猫や野良犬、多頭飼育崩壊の猫でも大変お世話になっています。

7月には一般社団法人「meico(メイコ)」を設立され、早期不妊手術の推進にも努められます。

性成熟前の不妊手術が浸透すれば、過剰繁殖問題の解決はずっと加速しますと仰り、
大変お忙しい状況でいらっしゃいますが、ぜひ発展させていただきたいです!



<まとめ>

今回の案件では、保健所に放棄し譲渡されていた猫が4頭、
またこの度、4頭を遠軽保健所に引き取っていただき、
当会が6頭引き取り、遠軽町役場さまが7頭保護され、
保健所に空きが出来次第搬送することになりました。

死亡した子猫が4頭いたとのことですので、
元々は26頭の多頭飼育崩壊でした。

もともと飼育していた愛着のある1頭のみを
飼い主の元に残すことになりましたが、
今後、適正に飼育されているか、
そうでなければ、
すぐに飼い主から引き取っていただきたいですし、
別な猫を外から連れ込まないかを、
定期的にケースワーカーさんや役場の人が
家を訪問することとなっています。

このような多頭飼育崩壊は、
孤独や生活困窮と密接に絡み合う人間や社会の
問題でもあります。


HOKKAIDOしっぽの会は、これからも、
行政機関や民間で力を合わせて協働解決する事業を推進し、
「人と動物が幸せに共生する社会」を目指します。

そして、こうした活動が出来るのは、
皆さまからのご寄付のお陰です!

これからも尽力してまいります。

応援・ご支援よろしくお願いいたします!


。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.

動物愛護福祉の啓発に
↓↓クリックお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 

posted by しっぽの会 at 15:38 | 多角的活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月20日

幸せな猫を増やしていくために 石狩市の多頭飼育猫案件

S__71335947s.jpg

最近、良く耳にする多頭飼育崩壊。

これまでは、水面下であまり表立って出てきませんでしたが、
SNSの発達で身近にも多くあることに気づかれた方も多いと思います。


今回ご報告するのは、石狩市内のお寺で多数の猫が飼育されていた案件で、
高齢の飼い主さんの元では、お世話も難しく、
残念ながらネグレクトになっていました。





S__71335948s.jpg

現在はボランティアさんが定期的にお掃除に行っているので、
以前とは比べ物にならないほど改善しています。







IMG_7188s.jpg

7月中旬、当会で最初の視察を行ったところ、
20頭以上の猫が、母屋と物置で飼育され、
その他外にも10頭余りの猫が餌を食べに来ていました。

幸い外猫以外は全頭避妊・去勢手術済みでしたので
繁殖する心配はなかったのですが、
多くの猫が猫風邪に罹っていて、
栄養も充分に足りている状態ではありませんでした。

勿論お世話されているのもご高齢の方でしたので、
衛生面にも問題がありました。

石狩市の中でもこの地域は、過疎化が進んでいて、
お寺に猫を捨てていく人もいたり、檀家さんから引き取ったり、
過去のことにはなりますが、
交番の警察官の方からの依頼で保護した猫もいたそうです。

そうしたことから、飼い猫を不本意に増やしたわけではなく、
仏教の教えでも殺生しない思いがあって、次々に猫が増えていったそうです。

室内にいる猫は全頭不妊手術も行っていることから、
ご高齢にも関わらずこれまでがんばって来られたことは良く分かりました。

外猫もお寺に置いて行かれた猫で、もとは飼い猫のなれの果てのようでした。





IMG_7404s.jpg

まずは、外猫の繁殖を防ぐために、8月6日、野良猫専門の
不妊手術を行っているMobile VET Officeの大門先生に出張手術をお願いし、
事前に捕獲出来た5頭の不妊手術を「飼い主のいない猫基金」の活動で実施しました。





IMG_7393s.jpg

また、室内にいた25頭は、混合ワクチン接種と便検査、
FIV(猫エイズ)とFeLV(猫白血病ウィルス)の感染症検査がされていなかったので、
こちらは飼い主さんの費用で実施しました。

これにより猫の住み分けが可能になり、
ケージから出してフリーにする時間も出来るようになりました。





S__6701208s.jpg

当日、生後3週齢位の子猫を運ぶお母さん猫も発見。

子猫4頭は、当会で保護し、現在スタッフが預かり飼育しています。






001s.jpg

子猫は、現在2か月くらいになりました。

本当にいろいろなことが起き、ケースバイケースで対応していますが、
今回の案件では、飼い主さん側が現状を解決したい思いがあり、
今後1頭でも家庭猫として幸せな猫生を送って欲しく、
2名のボランティアさんが5頭保護しています。





現在はボランティアさんのご協力もあって、
健康面や衛生面でも改善され、猫たちも元気になって来ています。


猫たちの面会は、お世話をしているボランティアさんが対応させていただいていますが、
窓口は当会となっていますので、
「石狩のお寺の猫」の件でとぜひ以下までご連絡ください。

Eメール:info@shippo.or.jp

電話:0123-89-2310

FAX:0123-89-2311





01s.jpg

02s.jpg

03s.jpg

04s.jpg

05s.jpg

06s.jpg

07s.jpg

08s.jpg

09s.jpg

10s.jpg

11s.jpg

12s.jpg

13s.jpg





9.6isikari.jpg

また、石狩振興局の飼い主探しノートにも5頭の猫を掲載していただいています。

飼い主探しノート問合せ先:石狩振興局 011-204-5820  
 
https://www.ishikari.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kks/kansei/kainusisagasinote-rist.html


1頭でも幸せな猫を増やしたい・・・今後も注視していきたいと思います。



。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.

動物愛護福祉の啓発に
↓↓クリックお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 

posted by しっぽの会 at 18:09 | 多角的活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月22日

幸せな猫を増やしたい!協力し連携して解決に導く 

皆さんは、野良猫を見て悲しい気持ちになったり、
何かしてあげたい、出来ることはないかと思ったことはありませんか?

そんなときって、何かの行動を起こすことで救われる命があるかもしれません。

そこで今回ご報告するのは、札幌市白石区北郷での案件です。



北郷の現地.jpg

この案件は、飼い主に捨てられ、建物が撤去された空き地で
野良生活を送っていた10頭余りの猫の事案で、
8頭の猫が札幌市動物管理センター(以下、市センター)に収容され、
産まれたばかりの乳飲み子4頭は当会で引き取り、
預かりボランティアさんが授乳しています。




事の始まりは

キジトラs.jpg

近隣市民方から当会に通報いただいたこの案件は、
餌付けされた野良だったのか、遺棄にあたるのか、
いやいやはっきりしないなら迷子で扱うべきなのか、
地域住民に保護主さんが方がいない、
近隣の事業所では猫による被害があって市センターに苦情の連絡を入れていたこと、
また札幌市の地域猫事業のいくつかの条件にも当てはまらず、
不妊手術を行ってから現地に戻すTNR出来ないこと等、八方塞がりの状況でした。





次なるステップへ

そこで当会は、こうした案件がひとつの道しるべになればという思いで、
市センターに相談させていただき、
一緒に現地に赴き、通報くださったご相談者や
空き地の地主の方と4者でこの案件の方向性について協議しました。

飼い猫か野良猫か判別が難しいことや
仮に野良猫だとしてもこの案件では地域猫にすることも難しく、
イレギュラーに迷子猫として扱ってくださることになりました。





関係者の連係プレーで

この案件は、今月8月いっぱいで終了することになっていますが、
見事な連携プレーで良い方向に導けたと思います。

流れとしては、

@現地での猫を捕獲する前に、地域住民の方に周知するポスターを当会で作成、
 該当地区の土地の管理者の方がポスターをポストインしてくださいました

A最初に通報くださった近隣の方が捕獲の協力、当会で捕獲機を設置し、
 同時に捕獲後に市センターに搬送できる人や
 現地に様子を見に行ける人のグループラインを作りました

 また、共通認識として、妊娠の疑いや怪我があった場合は、
 搬送前に動物病院で診察していただき(当会で費用負担)、
 市センターに事前に猫の状態をお知らせすることにしました

➂捕獲出来たら、平日16時までに市センターに搬送する

C市センターでは、迷子期間終了後に不妊手術を行ってから譲渡対象にする

このような一連の流れで行いました。

円滑に進められたのは、保護に関係している人たちのグループラインで、
出来る人が出来ることを出来る限りすることで、
お互いに必要以上に無理することなく協力できるようにしました。





北郷猫チラシ.jpg

現地は市街化調整区域と隣接していて、住宅の戸数は少なめでした。

住民の方の飼い猫が、捕獲機に入らないように現地にポスターを掲示したり
住宅にポストインしました。





hokakuki.jpg

現地はキツネの巣穴もあるほど、キツネが多く、
地面に捕獲機を置くとキツネによる被害が起きるので、
ケージをに段重ねにして上段に捕獲機を設置しました。







センターs.jpg

市センターに収容された収容猫19,20,21,22,23,24,25,27の8頭の成猫たち。

市センター飼い主募集猫
https://www.city.sapporo.jp/inuneko/syuuyou_doubutsu/jotoneko.html





tyatora.jpg

威嚇する猫が多いですが、徐々に環境に慣れてきました。

何より、連日の猛暑でしたので、
飢えや暑さから解放されたので安心しました。





hirame.jpg

7月9日に捕獲し市センターに収容されたF22、愛称ひらめは、
推定6歳のキジトラの去勢オスです。

最近は職員さんを目で追ったり、気にするようになったそうで、
手袋をはめて撫でるとコロンと横になっていました。

小さなゴロゴロも聴かれ、少しづつ心を開いている様子で、
この子が一番慣れて来ています。





@キジトラ成猫オス7.09.jpg

保護時は困惑した顔で怒っていました。






タラオシラス・コンブ・ツナs.jpg

収容猫F27、愛称のりが7月19日に出産した4頭(オス2・メス2)の子猫。

のりは初産なのか子猫が産まれてもキョトンとしていました。

初乳は飲ませたようですが、その後、子育てを放棄したため、
当会で引き取り、現在預かりボランティアさんが授乳してくださっています。

飲みっぷりも良くスクスク成長し1か月になりました。

のりはその後、市センターが北大で不妊手術を行いました。






幸せな家庭猫を増やしていく

家族として大切に飼われている猫がいる一方で、
同じ猫なのに苦難な生活を強いられている理不尽さ。

氷山の一角ではありますが、ひとつ一つの事例に全く同じものなどありません。

出来ることを探して、1頭でも幸せな猫を増やしていく・・・
当会はだけの力では限界があり、多くの猫を助けることは出来ません。

出来る人が、出来ることを、出来る限り、快く行う、
そんな思いやりと優しさに溢れた社会を創っていけたらと思います。

そして、一人一人が、何かで手を差し伸べる一歩が大事なのだろうと思います。


。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.。oOo。.:*:.

動物愛護福祉の啓発に
↓↓クリックお願いします!
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 

posted by しっぽの会 at 13:17 | 多角的活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする