
2025年3月29日、飼い主さんの止むにやまれぬ事情により、しっぽの会にやってきた北海道犬の力桜(りきおう)。
15歳の避妊済みの女の子です。
大型犬でこの年齢は超高齢にあたりますが、和犬特有の気性は見られず、驚くほど穏やかで賢く、人の声かけや環境の変化にも柔軟に対応してくれています。
引き取り後の健康診断では、気管虚脱の疑いがあり、咳や呼吸の様子を継続して観察中です。
両目は白内障で、特に左目は視力がほとんどない可能性があります。
耳の炎症は長引いており、膿や痒みが続いているため、複数の点耳薬を試しながら治療を継続し、耳洗浄も定期的に行い、状態の変化を看ています。
消化器症状としては、下痢や軟便が続いており、食欲にもムラがあるため、点滴や薬で対応しています。

日常生活では、視力の低下を賢さで補いながら、サークル内の間取りをすぐに把握し、ゆっくりお散歩を楽しんで、環境への適応力を見せてくれていました。

そうした穏やかな日常を送っていた力桜ですが、7月には眼振やふらつき、斜頸が見られ、脳の異常が疑われました。
その後、腎臓の数値が急激に悪化し、貧血も進行、ヘマトクリット値は一時21%まで低下してしまい、造血剤やビタミン剤を使用しながら、皮下点滴を継続しています。
また、8月には右前脚の骨折が判明しました。
肩から肘にかけての骨が折れており、骨が薄く固定が難しい部位のため、布での保持処置を行い、痛み止めを使いながら安静を保っています。皮膚炎などは見られませんが、タオル交換などのケアも丁寧に行うようにしています。
15歳という年齢で、大好きな飼い主さんや慣れ親しんだ家を離れ、新しい環境に身を置くことは、想像以上に大きな変化です。
それでも力桜は、あるがままを力強く今を生きようとしています。
日々のケアは決して簡単ではありませんが、力桜の穏やかな眼差しとスタッフに見せてる信頼のしるしが、逆に私たちを励ましてくれています。
力桜の姿は、命の尊さと寄り添うことの意味を教えてくれます。
そして、私たちもまた、動物福祉の本質を問い直す機会をもらっているのかも知れません。
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