2024年11月20日
小さな命 チフユが虹の橋へと旅立ちました
11月17日(日)、推定5ヶ月の男の子 チフユが虹の橋へと旅立ちました…
チフユは、飼い主が不妊手術をせずに外猫に餌を与え、成猫24頭、子猫12頭まで増えてしまった過酷な現場で保護したうちの1頭でした。
猫たちは皆シラミが付いており、痒みに襲われていたり、重度の猫風邪になっていたり、敷地で車に轢かれたりと悲惨な状況で暮らしていました。
保護時、当会の猫舎は満杯な状況でしたので、預かりボランティアさんのお家で看ていただきましたが、もともと臆病な子でしたが、すぐに慣れてくれて人が大好きなゴロスリニャンになりました。
初めてチュールを食べた時は「うまっ!」というびっくりした顔をしていたとのこと甘えん坊で可愛らしい子でした。
ですが、11月3日様子がおかしいと病院を受診したところ腹水が溜まっていて、血液検査の結果からおそらくFIPに感染しているのではと緊急入院しました。
直ぐに治療を開始しましたが、極度の貧血で13日、14日と続けて輸血してもヘマトクリット値が上がらずステロイド投与し、鼻からカテーテルを入れて高栄養のフードも入れました。
腹水もまた溜まって辛そうでしたが、お見舞いに行ったスタッフに触って欲しくてスリスリと甘えてました。
16日には三度目の輸血をしましたが、他の病気も併発しているようで片側の肺はウィルス感染によるものか硬くなり無気肺になっているとのこと…酸素室にいても苦しそうにしていました。
亡くなった17日の朝は容態は安定していたそうですが、朝8時に一気に大量の血を吐きチフユも血だらけになったそうです。
死因は吐血性ショックでした。
過酷な現場から保護されてこれから先、幸せになれると思っていただけにショックは大きく、スタッフ間にも無力感と焦燥感が募りました…
しかし、保護していなければあの過酷な現場で人知れず亡くなっていたのですから、一時だけでも預かりボランティアさんの元で甘えながら暖かなお家で過ごせたことは、チフユにとって最高の至福の時間だったと思います。
お骨も預かりボランティアさんがお家に置いてくださり家族として一緒に過ごしてくれるそうです。
よく保護された子が新しい飼い主さまの元へ行くと『運が良かった』と言いますが、じゃあ他の子は『運が悪かった』ということでしょうか?
元々は人間の身勝手で不幸な境遇になってしまった子達を『運が悪かった』の一言で済ませてはあまりに可哀想だと思います。
チフユがいた現場では、たくさん生まれてたくさん死んでいくという悪夢でも観ているような所でした。
最初から不妊手術さえしていれば回避できていたことです。
一頭でも不幸な子が世の中からいなくなりますように…
以下は預かりボランティアさんからチフユへのメッセージです。
ちふゆは最後まで生きようとあきらめずに頑張ってました。
小さな命は北海道の外では毎日死と隣合わせです。
私はちふゆに沢山の事を教わりました。
しっぽの会さんに保護されて心から感謝しています。
可愛いちふゆを預かれて嬉しかったです。
ちーちゃん又会おうね。
皆さまとチフユの冥福をお祈りしたいと思います🍀