2024年09月01日

厚岸町役場に要望書提出と地域の野犬の視察

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<厚岸町役場>

8月21日(水)・22日(木)、厚岸町役場に野犬対策の要望書と厚岸町と浜中町の野犬の視察に行ってきました。

高速を使っても5時間ほどかかる遠方ですが、野犬の多い地域で対策が必要なため関係者で要望書を提出することになりました。



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<床潭地域の野犬たち>

初日は、午後から厚岸町役場の職員の方に案内していただき、3年ぶりに床潭地区を視察しました。

3年前に保護した保護犬のポン吉の出身地です。

そっくりな野犬に出会いました。

あの頃に出会った犬たちは生きているのでしょうか…餌を待っているのか地域で暮らしている野犬たちです。

地域、地域で課題は違うと思ういますから、この地に合った解決の仕方が良いと思います。



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<旧教職員住宅>

床潭小学校が廃校になり、現在残っている旧教員住宅を野犬対策に利用されていました。




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<捕獲機設備>

100万円以上かけてセンサーで扉が落ちるシステムを導入されていました。

ここでは5頭捕獲され保健所にも収容され譲渡に繋がりましたが、現在は犬たちも警戒して入らなくなってしまったそうです。

このシステムは鹿の駆除にも兼用で使われていました。




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<野犬が多くいる若松地区>

次に山間地の若松地区に行きました。

ここでは複数の野犬が住み着いていましたが、熊除け対策として所謂野良猫の餌やりの状態になっていました。

役場で設置したアニマルフェンスの中で餌を与え、慣れた頃に扉を閉めて捕獲するようになっていました。

ここでは昨年10月から今年8月までに23頭の子犬が産まれ、ボランティアさんが譲渡しました。

この日は警戒してか1頭にも野犬を見ることは出来ませんでした。

早急に成犬に不妊手術することが重要です。

狩りをして生きている生粋の野犬とは違いますが、小さい時から餌を貰っていたとはいえ警戒心が強いので、ボランティアさんは根気よく頑張っていらっしゃいました。




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<飼い犬>

8歳になるメス犬は唯一の飼い犬ですが、ボランティアさんの尽力で飼い主はやっと不妊手術してくれたそうです。

ここから20キロ位離れた酪農家さんに住み着いた野犬にそっくりなので、同じDNAではと思いました。

野犬たちは20〜30キロ離れていても簡単に移動しています。

ですので、野犬問題は一町村の問題ではありません。



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<糸井沢地区>

次に数キロ離れた糸井沢地区に行ってきました。

ボランティアさんのお一人がここで野犬の群れに遭遇したとのことでした。

若松地区と同様に農村地帯で酪農家の方が多い地域です。



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<野犬の群れ>

ボランティアさんからいただいた写真ですが、7月に合わせて11頭の群れに遭遇したそうです。




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<2頭の野犬>

その時に遭った2頭ですが、慣れている様子に見えます。



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<お腹を空かせたメス犬たち>

野山で犬だけで暮らしているのは稀でどこかで餌を貰っているはずなので、検討を付けて役場の職員さんが案内してくださいました。

そうしたところ2キロ位離れた離農された家にいました。

玄関には大袋のドッグフードも置いてありました。

出産後のようで、お乳が下がっていました。

オヤツを夢中で食べていました。
広い敷地のどこかで子育てをしているようです。



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<オス犬>

痩せて皮膚病にもなっているようです。

一番奥で吠えて前には出てくることはありませんでした。

犬たちは、ここでも熊などの害獣対策に置かれているようで、全て人間の都合で利用されていると言わざるを得ません。



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<浜中町役場>

翌日8月22日(木)は、厚岸町から30キロほど根室寄りの浜中町役場を訪ねました。

3年前に建てられた新築の庁舎は津波対策もありかなりの高台にありました。

とても立派で景観が素晴らしい明るい庁舎でした。



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<橇犬の多頭飼育現場>

役場の職員の方が同行してくださり、飼い主を募集している橇犬の視察に行ってきました。

9歳から12歳までの犬たちが10頭いましたが、どの子も餌も十分にあたり健康を取り戻したようでした。

※9月2日現在は、残り8頭(オス6・メス2)となったそうです。

アラスカンハスキーとシベリアンハスキーのミックスとのことですが、大型犬というより中型で体重は20キロも無いように見えました。

性格もフレンドリーで構って欲しくてたまらないといった子ばかりです。

橇犬でしたので家庭でのしつけも入っていませんし散歩の仕方も分からない子たちです。

今度は家庭犬として終生大切な家族として適正飼育できる方にお迎えいただきたいです。

近隣の方で譲り受けを希望される方は浜中町橇犬譲渡推進チームにお問い合わせください。




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<保護された厚岸町の野犬>

要望書の提出で中心になって動いてくださった浜中町の獣医師岡本先生の診療所では、厚岸町で捕獲された野犬が保護されていました。




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<保護された浜中町の野犬>

浜中町の酪農家敷地で捕獲された野犬…収容先がなく先生の診療所の収容場所やドッグランで過ごしています。


厚岸町や浜中町の地域の釧路保健所は、迷い犬や飼い主募集の犬の収容過多が続き受入れが出来ない状況です。

釧路保健所収容犬

野犬と思われる迷い犬

飼い主募集犬


早急に厚岸町役場に収容場所とお世話する人材を投入し町で譲渡できる仕組みが必要です。

現に近隣の別海町では、何年も前から町が自立し課題解決のため保護譲渡を行っています。
https://betsukai.jp/oshirase/2421/




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<厚岸町役場での会議>

22日(木)13時より、厚岸町役場会議室で獣医師、愛護団体、ボランティア等関係者15名が集まって提出する要望書に沿って議論しました。

急遽浜中町役場の職員の方も2名参加してくださいました。


要望内容は以下です。詳細はコチラからご覧ください。


厚岸町の野犬対策に関する要望

(1)野犬問題の根本解決のために役場内に専門部署を設置

(2)野犬問題に迅速に対応できる捕獲体制の構築化と捕獲方法の検討

(3)捕獲後に収容する施設の整備と予算化

(4)捕獲後の不妊手術やワクチン接種、駆虫、マイクロチップなどの費用の予算化

(5)収容された犬の世話や譲渡に向けて活動できる人材の確保

(6)町民や社会に対し野犬問題の周知を図り、共生社会の意識を高める



厚岸町、浜中町はじめ道東、道北地域では野犬が恒常的にいて効果的な対策を実施しないまま現在に至っています。

自治体に於いても、主体的・根本的に野犬問題を解決していくための積極的な施策を講じることはなく、野犬掃討以外では対策は取られてきませんでした。

最近アニマルフェンスを設置している現場もありましたが、野犬対策は苦情が入れば、お決まりのように捕獲機を2週間程度設置してその後撤収しフェードアウトしています。

厳しい冬の寒さや餌不足で衰弱し餓死する等で自然淘汰され、残った若い個体が数年の命を全うし尽きていくことの繰り返しだったと考えられます。


野犬が発生する原因の多くは農家で飼育されている未不妊の犬に原因があります。

不妊手術している飼い主さんも増えてはいますが、昔の飼育方法を変えようとしないことや当事者意識や危機感がありません。

譲渡先も上記のような飼い主に犬が渡ってしまったら同じことが繰り返されます。

必ず不妊手術を行ってから譲渡することは鉄則です。

札幌市や江別市の動物病院で子犬の不妊手術を実施している病院はありますが、地域にない場合は確実に不妊手術を実施出来る譲渡条件と方法の徹底が求められます。

伺っただけでも昨年から今年8月中旬までに2頭の成犬と167頭の子犬が愛護団体やボランティアさんに保護譲渡されていますが、蛇口を締めていく対策がなければいつまで経っても堂々巡りで関係者の皆が疲弊してしまいます。

出来ることから確実に対策していくことが求められます。



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posted by しっぽの会 at 20:01 | 多角的活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする