2023年12月29日

札幌市内で発生した多頭飼育崩壊事案に対する協働プロジェクト

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<12月19日の3回目の打ち合わせ会議>

札幌市内で発生した50頭以上と思われた多頭飼育崩壊事案。

この事案の打ち合わせ会議が、札幌市動物愛護管理センターあいまるさっぽろで行われました。

ここ数か月、センターには他の多頭飼育崩壊事案から引き取った猫など多数の猫が収容されており、この事案で想定されていた50頭以上の規模のセンターでの追加収容は難しい状況でした。

そのため、センターから、12月上旬には市民団体登録されている動物愛護4団体に、現地での捕獲作業なども含めた協力が打診されていました。

協働団体は、ツキネコ北海道さま、ニャン友ねっとわくーく北海道さま、ねこたまごさまとHOKKAIDOしっぽの会です。

この事案では、愛護団体と協働で解決に導いていこうとする札幌市動物愛護センター初の試みでした。



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<2階の廊下に置いた餌に何頭も群がって来ました>

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<階段は、糞だらけで登り降りも危険な状態でした>

当日は、これまでの経緯など全体で情報を共有した後、全員で現地に向かい現場確認をしました。

現地の一軒家では、不妊措置が行われていなかったことによって繁殖が進んでしまった猫たちが、おおよそ50頭以上がいるらしいとのことでした。

目視しただけでも20頭前後が確認できました。

また、家屋内には多くのゴミが放置されているほか、糞尿等の始末も不十分であったため、屋内外に強い臭気が発生している大変不衛生な状態でした。



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<キジトラと黒の猫ばかりでした>

飼い主自身による事態の解決は困難な状況であることは明らかでした。

どうして、ここまでになってしまったのか…考えても理解できませんでした。

これ以上の繁殖による事態悪化を防ぐためには、センターでの動物引き取りによる解決が必要と判断されました。

そして、現地の状況をもとに、収容までの段取りなどについて再度の打ち合わせを行いました。



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<人がいても出てくる子は人慣れも早そうです>

協議の結果、捕獲作業やセンターが手配した臨時シェルターでの動物の飼育管理などに連携して取り組むことで合意しました。



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<作業を見守る猫>

12月21日以降、猫たちの捕獲、臨時シェルターへの収容に着手することになりました。



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この間ですが、協働団体独自の活動として、建物内に残されている猫の世話や、建物内の汚物等の清掃にも協力をしました。



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<捕獲作業にも尽力してくださったツキネコ北海道さま>

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<センタートラックで臨時シェルターへ>

26日までに計31頭が捕獲され、順次臨時シェルターに収容されました。



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<屋根裏もボロボロになっていて、猫たちは自由に往来していました>

約1週間に亘って捕獲した結果、当初の想定よりも頭数が少なかったため、臨時シェルターに収容していた猫たちをセンターに移し、今後譲渡に向けた取り組みが行われることになることになりました。



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<積極的にフードを食べにくる子は触れました>

幸い猫たちは、早めに人慣れしそうな猫たちですし、中には物怖じしないで触らせる子もいましたので、今度こそ大切な家族になれますように…。

こうした悲惨な状況を生み出す多頭飼育崩壊…これは単に動物の問題ではなく、関わっている周りの人々による早期の発見と対策、援助が必要なのだと思います。

人も動物も悲しい想いをしないような社会システムが出来れば良いと思います。



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posted by しっぽの会 at 09:35 | 札幌市動物管理センター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする