2023年11月02日
道北・道東に多い野犬 問題の解決に向けてサポート開始しました
<道東厚岸町床潭の野犬>
北海道は、道北のオホーツク地方や道東の釧路・十勝地方には野犬が多くいて、酪農家が点在する農村地帯に出没しています。
苦情の連絡が入ると役場では捕獲檻を設置し、2週間程度設置した後は撤去するか、家畜や飼い犬等への被害が報告された場合は、薬殺や銃殺されることもあります。
地方の自治体で良く耳にする野犬を取り締まる「野犬掃討条例」は、野犬による人又は家畜の危害を防止し、公共の安全を保持するため、掃討し処分して良いとされています。
しかし、こうした問題の背景には、地方では、元々、飼育されていた犬を山に捨てられたり、飼い犬を不妊手術もせずに放し飼いしている飼い主に原因があります。
人知れず繁殖し、増えたことによるもので野良猫の問題と同じ現象です。
猫は取り締まる法律がないので、行政では積極的に介入することは少ないですが、犬は「野犬掃討条例」や「狂犬病予防法」により野犬は処分の対象となっています。
子犬は、捕まえた後、公示を行えばすぐに飼い主さんが見つかるのですが、運悪く取りこぼされた子犬はそのまま成犬となり野犬になっています。
また、運よく捕獲出来たとしても、成犬はそうそう迎え主さんを見つけられないのが現状です。
お迎えくださる方は、野犬の特性を理解して根気よく接してくださる必要もあり、修行に近い感覚もあるのですが、その分気持ちが通じた時の喜びは大きく非常に感動し感極まるものがあります。
市町村によっては、こうした負の歴史を繰り返してはいけないと、収容施設に入れて命を繋ぐために振興局と連携を取ったり、町が独自に飼い主募集をしたりと努力してくださっています。
野犬や野良猫、動物虐待、野生動物も全て根っこにあるのは人間の問題で、動物たちはいつも翻弄される弱い立場です。
社会を構成する人の意識が変らなければ、社会は変わりません。
こうした地道な努力ですが、当会は今年10月より自治体の野犬を減らしていく協働のサポートを始めました。
道東の陸別町役場さま。
陸別町は十勝地方の北見市に近い人口2,500人ほどの酪農と林業の町で、冬はマイナス30℃以下になる「日本一寒い町」でも知られています。
こんな厳しい環境の中でも、野犬たちは自然淘汰されながらも必死に生きています。
農家さんの敷地は広く、牛舎や小屋、飼料もあるので、山から犬たちが降りて来て、出産して子育てを行い、餌も貰っていたり命を繋いでいます。
ここの農家さんにも数頭で野犬が来ていました。
この農家さんはご理解ある方なので、犬たちを邪険にすることもなく、餌を与えているようです。
ですが、大事なことは行き場のない野犬を生み出さないことです。
捕獲して不妊手術することが重要です。
上記とは、別の地区で生まれた子犬たち。
陸別町では、今秋で3か所で野犬の子犬が産まれていました。
役場が認識されたのは、
9月5日に字トマム地区でオス3頭・メス1頭。
9月末頃にサクシュ地区でオス3頭。
10月13日に小利別地区でオス3頭・メス2頭。
この秋だけでも12頭発見され、全頭保護できた保証はないので、野犬の群れで生きている犬もいる可能性があります。
今の時期でも、最低気温は零下になることもあり、熊の出没も多く、生き残るのも大変厳しい環境です。
子犬たちのお迎え主さんはほぼ決まったようです。
当会では、自治体から譲受された犬猫の飼い主さんに不妊手術費用を助成する事業も2019年から開始しています。
それは、譲渡された後に不妊手術を行っていないことで、新たに行き場を無くす犬猫を増やしたくない、そうした思いから始めた事業です。
保健所から迎え入れたり、犬を保護して飼育し始めても未不妊のまま放し飼いをしたり、逃がしてしまう人も多く、それが原因で野良犬が増えているといっても過言ではないと思います。
陸別町役場で設置した捕獲機です。
足跡がついていますが、飼い犬の足跡と思われ、隔離するよう注意をさせていただいています。
当会では、自治体の野犬の捕獲から行先探しのサポートをさせていただきたいと考え、ご協力いただける動物病院さまも確保することが出来ました。
人間が勝手に不要とする動物を社会から減らしたい、生き生きと日々を送れる動物を増やしていきたい、その信念を貫いていきます。
まだ、予算付けなどされていないので、費用は全て皆さまからのご寄付が原資となっています。
終わりが見えていない活動ですので、どうか皆さまからのご支援応援をいただけますと幸いです。
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