2016年03月14日

札幌市の動物愛護の新条例に関する質疑応答


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先日3月10日(木)、札幌市の動物愛護の新条例を含む保健福祉局の審議が、
札幌市役所第二特別委員会会議室で行われました。

「札幌市動物愛護及び管理に関する条例案」に関する質疑応答では、
以下の5名の市議会議員の方々がご質問されました。


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日本共産党 田中啓介議員

■全国的にも動物愛護精神を広めたり犬猫の殺処分を減らすために様々な取り組みを行ってるが、私は旭川市のあにまあるを視察した。
まさに市民と一体になって動物愛護に取り組み、殺処分を減らすことに繋がっていると感じた。札幌市もボランティアや動物愛護団体と協力した取り組みが必要と思うがいかがか。

石田部長答弁
■動物を飼っている方や飼っていない方、幅広い年齢層の方に対して、動物愛護の精神を育むためには、市民・事業者・関係団体の協働が重要である。飼い主のいない猫に関する問題などの解決には、ボランティアや動物愛護団体などとの連携や協働した取り組みが有効で、今後とも人と動物が共生する社会の実現に向けて取り組みを進めたい。

田中啓介議員
■動物取扱業者について質問をさせていただきたい。このことが動物の適正管理の推進や動物福祉の向上へ繋がっていくと思います。
今ネットで話題となっている、愛護団体と協力して犬や猫を売らずに保護した犬や猫の里親を探す岡山のペットショップがあります。しかし一方一部のブリーダーなど動物取扱業者が利益のみを目的として違う種類の犬を交配したり、飼い主に対してきちんと説明せずに売ったり、犬や猫を山に大量に捨てたりという事件も起こっています。犬や猫の命を粗末にするような悪質な動物取扱業者を無くすためには、本市が指導、是正を求めてもなかなか改善されないような業者に対しては業者名を公表するなども考えていくことが出来る。
動物取扱業者に対しては、適正に育成することを本市が積極的に関与していくことで動物の福祉の向上にもつながると思うがいかがか。

石田部長答弁
■条例案の第5条第2項の規定で、動物取扱業者は飼養する動物の健康及び安全を保持するとともに動物福祉の向上に努めなければならないと規定している。第6条では、動物取扱責任者の責務を規定していて動物に関する知識の研さんに励み、資質の向上に努め、動物の飼養や施設の管理にかかわる者を指導しなければならないとしている。また、動物取扱責任者は動愛法第22条の規定により市が実施する責任者研修会を受講しなければならない。
今後は、動愛法の規定に基づく監視指導に加えて、条例施行後は条例の規定にも基づき、さらに取扱業者の指導について適正かつ厳正に対処したい。

田中議員
■子供議会で動物の命の大切さを学ぶことが提案され、教育委員会や子ども未来局が関連してくるし、地域猫対策は町内会との連携が重要となりまちづくりセンターとの関わりも出てくるが、動物愛護を推進していく上で動物管理センターがけん引役となって関係部局や地域町内会とも連携を強化していくべきと思うがいかがか。

石田部長答弁
■動物愛護の推進においては、動物管理センターがけん引役として、関系部局や地域町内会などとの連携を強化してくことは重要であると認識している。現在も町内会から依頼に応じてペットマナーに関する出前講座を実施したり、現地に赴いての犬猫に関する苦情相談の対応やパトロール車による広報活動を実施している。今後は、犬猫の飼い方マナーの向上のために啓発用チラシをまちづくりセンターで配布するなど、さらなる普及啓発を実施するとともに推進計画を策定する中で、関係部局や地域との連携のあり方についても検討したい。


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自由民主党 阿部ひであき議員

■飼い主のいない猫にエサをあげる人がいると、地域に猫が住み着いて周辺に糞尿をされたり、庭を荒らされるなど様々な問題が発生し、対応に苦慮しているという市民の声を聞くことがある。動物管理センタ−が実際に現地に赴いた苦情件数は、一昨年度が776件、昨年度が750件と大変多い数です。このような状況を踏まえて新しい条例案では、「飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える者の遵守事項」いう項目があり「飼い主のいない猫に繰り返し餌を与えるものは、飼い主と同等の義務を負うべきであるという考えの下、糞尿などによる被害を少なくするための措置を講ずること、猫が増えないようにするための措置を講じること」と規定されいます。しかし、飼い主のいない猫による問題を解決するためには、エサを与える人に義務を課すという規定ではなく、市民や関係団体などと一緒に協力し合い、問題解決に向けた取組を進めていくことが重要である。
飼い主のいない猫に対する取り組みの今後の方向性についてうかがう。

石田部長答弁
■飼い主のいない猫の対策については、札幌市が抱える喫緊の課題の1つと認識している。その課題の解決には委員ご指摘のとおり、市民や動物愛護団体などと連携した取組が重要である。今後の取組の方向性については、保護収容した飼い主のいない猫に避妊去勢手術を実施し、適正な譲渡を推進することも検討したい。
併せて、飼い主のいない猫に繰り返し餌を与える方には、周辺環境の保全に努めることや猫が増えないようにするための措置に努めることなど、人に迷惑をかけないようにすることを普及啓発して、飼い主のいない猫による問題の解決に向けて取り組んでいきたい。

阿部議員
■旭川のあにまあるでの取り組みの中に、飼い主のいない猫に餌を与える方々に協力を得て猫を連れてきてもらって避妊去勢手術を行い、繁殖を予防する取り組みが行われています。単にエサを与える者の遵守事項だけでは、措置を講ずることに留まっており、その後の繁殖予防への協力を得たいという思惑が今一つ伝わりにくい。動物愛護の基本方針を広く市民に浸透させるためには、ボランティアばかりでなく、市民の協力も不可欠であります。そういった意味では今後この条例を受けて、さらに周知を図るべく分かりやすい注釈も検討していただきたいと指摘します。最後に、犬と猫の引取り手数料の徴収による懸念事項である遺棄の増加について。新しい条例案では、飼えなくなった犬猫を動物管理センターが引き取る際、新たに1頭あたり2,100円の手数料を徴収することが規定されいます。今まで無料であったものを有料にすることによって、犬猫を遺棄する人が増えることも想定されます。特に最近では、多頭飼育の崩壊も問題となっていますが、これらの犬猫を引き取る際の手数料は当然高額になるため、さらに多くの犬猫が遺棄されることも懸念されます。そこで質問ですが、放棄の際に引取り手数料を機械的に徴収するではなく、動物愛護団体や他部局と連携して、多頭飼育の崩壊などの犬猫に関する問題解決に向けた取り組みを推進していく必要があると考えるがいかがか。

石田部長答弁
■引取り手数料については、札幌市を除くすべての政令指定都市や北海道においてすでに導入済みであるが、これらの自治体では、有料化に伴う遺棄の増加は認められていないと聞いている。札幌市も、遺棄される犬や猫が今後増えないよう、引取り手数料の制度導入にあわせて、動物の終生飼養や適正飼養などの動物愛護精神の醸成はもちろんのこと、新条例の普及啓発に力を入れたい。
また、現在も多頭飼育の問題については、動物愛護団体や各区役所などと連携して対応しているが、新条例案における多頭飼育の届出制の導入を含めて今後もさらなる連携協働の取組みを推進したい。


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民主党・市民連合 成田祐樹議員

■平成25年9月に国における動物愛護法が改正されたことにより、全国各市において、さらなる動物愛護に関する条例が制定されていると聞いている。本市においても本定例会に提案されたところですが、その議案中にある8週齢規制について何点かお伺いします。国においても動物愛護法の中に8週齢については「犬猫等販売業者は、その繁殖を行った犬または猫であって出生後56日を経過しないものについて、販売のためまたは販売の用に供するために引渡しまたは展示をしてはならない。」と書いてありますが、その後付則として法施行後3年間は45日、その後法律に定める日までの間は49日と読み代えて適用する。との記載があり、では56日はいったいいつから実施するのか疑問は残りますが、国としても8週齢を明記しているのは間違い無いわけであり、そう定めたのも理由があるからだと考えます。当然国も諸外国の先行事例などを含めて参考にして改正されたと思うのですが、海外など諸外国では、幼齢動物の母子分離に関して、どのような規制を設けているのかわかる範囲でお答えください。

石田部長答弁
■動物愛護の先進国であるイギリスやドイツ、フランスの法規制では、生後8週齢規制が標準となっており、アメリカ合衆国でも、21州において生後8週齢規制を実施している。

成田議員
■動物愛護の先進諸国が8週齢を守って日々の生活をされているわけなんですね。それだけでも、国自体が取り組むのが少し遅かったのかなという面も見えてまいりました。今回盛り込まれた8週齢については、報道関係や動物愛護団体だけではなく、超党派の国会議員の間からも多くの称賛や同意の声があがっており、より動物愛護への取り組みを前進させるものだというふうに認識しています。こういった諸外国でも認識されている8週齢について、もう少し詳しく説明を頂きたいのですが、8週齢を設けることによって、幼い犬や猫にとってどのような意味合いがあるのか、またそのような調査を行っている専門家などの事例があれば併せてご説明ください。

石田部長答弁
■犬の行動学の権威であるアメリカのペンシルバニア大学のサーペル博士は、生後7週から9週が社会性を養う時期として最適であるとしている。最近の知見でも30日で引き離した犬よりも60日まで親子を共に飼育した犬の方が問題行動を起こす確率が低いことを示唆する研究がある。猫においては、離乳は60日前後に完了するとされており、親子を共に飼育する意義がその点にもある。

成田議員
■海外の犬猫の行動学の専門家が調査によって裏付けるものを出している訳ですから、一部で聞こえている科学的根拠が無いなどという批判は適切ではないのかなと考えます。調査を一つずつ積み重ねて研究にしている訳ですから、こういった専門家の見解はしっかりと受け止める必要があるのかなと考えます。
新たな条例制定等行うと、必ず利益が相反する団体や業界がでできてしまう事も考えなければなりません。とりわけ今回相反する団体はペット業界ではないかなと考えています。やはり小さく可愛いうちに早く売りたいという事を考える業者さんもいるかと思います。そこでお伺いしますが、市内のペット販売業およびブリーダさんなどにおいて、このような幼齢動物の母子分離について、現状はどのようにとらえられているのでしょうか。8週齢を設けると販売がしにくくなるといった声もありますし、一方で逆に早期の母子分離について懸念を示している、いわゆる8週齢に対して賛同している業者さんもあると聞いています。ペット業界の母子分離に対しての見解の現状をお聞かせください。

石田部長答弁
■札幌市内の販売業、特に繁殖を営む事業者において、全204施設のうち129施設、63%の事業者がすでに57日後に譲渡すると、動物愛護管理法に基づき登録時に提出が義務付けされている「犬猫等健康安全計画書」の中に記載している実態がある。このようなことから、市内約6割の事業者が、将来的に生後8週齢の規制となることをすでに認識し取り組んでいるものと考えている。

成田議員
■ありがとうございます。63%と市内でもそれだけ多くの業者さんが8週齢に理解を示しているということがわかりました。そのような現在の状況を含めて札幌市が8週齢を盛り込む土壌があったんだというふうに認識しております。
最後にお伺いしますが、札幌市の今回の動物愛護条例は国より早くにこの8週齢について取り組むことが明記された訳です。この8週齢を盛り込んだことに対して、既存の法律を超えた条例ではないのかという声が無い訳ではありません。ただ今回の8週齢については努力義務とされていることから上乗せ規制には当たらないと考えますが、8週齢の記載について法律的な逸脱はないのか札幌市の見解をお聞かせください。

石田部長答弁
■動物愛護管理法の第22条の5に規定している幼齢犬猫の販売等の制限については、「出生後56日を経過しないものについて、販売や展示をしてはならない」という禁止規定であり、現在経過的な措置として、45日に読み替えている。今回の新条例案については、生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するように努める旨の努力規定であり、法のように義務付けた上で罰則を科するものではない。また、市内の販売業、特に繁殖を営む事業者のうち、すでに63%の事業者が57日後に譲渡すると犬猫等健康安全計画書に記載する実態がある。以上のことから、生後8週齢規定については、事業者だけでは無く、広く市民にその普及啓発を図るためのものである。
また、動物愛護管理法の本則にも、生後56日規制が規定されており、現在は経過措置が講じられているが、今回の条例は、法の規定との整合性を欠くものではないと考えている。

成田議員
■ありがとうございます。確認をさせていただきました。今回8週齢を盛り込んだことによって、多くの報道等に取り上げていただいてこういった条例が市民に届くわけであります。今回の条例は施行されるまでに多くの市民のかたに周知できるように、また多くの動物がこれまでよりも愛され幸せな生活が送れるように、今回の条例制定に強く賛同することを申し上げて質問を終わります。


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公明党 小口智久議員

■我が会派が目指すのは「命に優しい社会」であり、動物を大切にする社会こそ、命を大切にする社会だと考え、人とペットが共生できる「命に優しい社会」を築くために努力していきたいと考えています。これまでも、私たちは動物との共生を目指し「動物愛護管理法」の改正においても、小さな命を守るリード役を果たしてきましたが、さらに進んで、2つの提案をしています。1つめの提案が「“殺処分ゼロ”にすること」です。ペットブームの影で、動物への虐待や放棄は後を絶ちません。「すべての命を守る」との視点で“殺処分ゼロ”に向けた動物愛護政策を提案しています。2つめの提案が「ペットと共生できる環境づくり」です。子どもたちが心豊かに育つために、また老後生活の大切なパートナーとして、ペットはかけがえのない家族の一員です。ペットと散歩できる公園や道路を整備するなど、人とペットが共生できる環境づくりを提案しています。今回の条例案には、第1条の目的の中で、日本の条例においてはじめて「動物の福祉の向上」という言葉が盛り込まれており、市民だけでなく、道内外からも画期的な条例だと称賛する声も寄せられております。しかし今後、この条例の素晴らしい理念というものを、いかにして多くの市民に浸透させていくかという点が非常に重要になってくるわけであります。そこで、質問でありますが、この動物愛護条例が可決されたあかつきには、市民にどのように周知していくお考えなのか伺いたい。

石田部長答弁
■札幌市動物愛護管理基本構想の目標に掲げている「人と動物が共生する社会」の実現に向けて、動物を飼っている方も飼っていない方も、子どもからお年寄りまで、幅広い層の市民に、今回の動物愛護条例を理解していただき、広く動物愛護思想を浸透させることが大変重要である。条例の周知については、ホームページによる情報発信、広報さっぽろへの掲載、動物愛護フェスティバル、犬猫の譲渡会などの各種イベントやセミナーの開催など、様々な媒体を活用するとともに、あらゆる機会を通じて積極的に周知を図りたい。

小口議員
■今後、この動物愛護条例が札幌市の動物愛護施策の基本ルールとなる。今回の条例案に対するパブリックコメントにおいて、329件にも上る、大変多くの意見が寄せられました。その要因ともなる市民の関心事は、ペットによる迷惑行為、犬の鳴き声、糞の放置、飼い主のいない猫の餌やりや、多頭飼育の崩壊、虐待事件の社会問題化など、ペットに関する様々な問題が数多く発生しています。動物愛護管理法において、飼い主の責務として飼育動物の適正管理が規定されていますが、札幌市には、依然として多くの苦情が寄せられている状況にあります。特に、様々な機能をもった多機能型公園として多くの市民に利用される大型公園では、犬の散歩中にリードを放すような行為、いわゆる放し飼いについて、子どもを含む家族連れなどの利用者から公園管理者に対して大変多くの苦情が寄せられていると聞いております。そのような中で、モエレ沼公園では公園内をいくつかのエリア分けをして、散歩コースについて、犬の飼い主と一般の利用者とのすみわけを行っていたり、あるいは、屯田西公園では、ドッグランを設置するなど様々な工夫をしている公園がある。市民が気分よく公園を利用できるということがとても重要である。そこで質問ですが、犬の飼い主のマナー向上に向けて、大型公園を所管する環境局と連携して、どのような普及啓発活動に取り組んでいるのか。

石田部長答弁
■公園を快適に利用していただくため、犬の飼い主のマナー向上を目指した取組みとして、「リードをつないで楽しくお散歩キャンペーン」事業を、昨年度から環境局と共同で実施している。今年度も、6月、10月に23か所の大型公園において、キャンペーン活動を実施するとともに、6月に旭山公園、10月には農試公園において、動物関係団体や公園の指定管理者と連携して「愛犬といっしょの公園散歩講座」を併せて開催したところ。今後も関係する他部局、動物関係団体と連携協働し、飼い主のマナ一向上に向けた普及啓発に取り組んでいきたい。

小口議員
■多くの市民の理解を進めるうえで、様々な媒体を活用した広報活動というものは大変重要であります。また、幼児期や幼少期の子どもたちに動物愛護教育を行い、動物に対する正しい認識を持たせて動物愛護精神を育むことも重要なことであります。今回の条例は、現在、札幌市が抱えている喫緊の課題を解決するために、制定するとのことでありますが、条例案を提案されている保健福祉局だけでなく、先ほど例に挙げたような、大型公園を所管する環境局、札幌市の広報を担当する市長政策室、あるいは、教育、学校を所管する教育委員会など、他部局との連携を密にして、オール札幌で広く動物愛護を推進していくことが大変重要である。動物愛護の画期的な条例ができるわけですから、ぜひ、保健福祉局が中心的役割を担って、他部局と連携を密にして、取組を進めていっていただきたいということを強く要望して、私の質問を終わります。


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市民ネットワーク北海道 石川佐和子議員

■動物関係団体などとの連携について動物愛護管理条例については、札幌市動物愛護管理基本構想で掲げた人と動物が共生する社会の実現に向けてその制定が欠かせないとの認識をしています。条例の内容についてはここまでさまざまな観点での議論がありました。条例は行政、市民、動物取扱業者および動物関係団体の役割や飼い主の遵守事項などを明確にするものであり、なによりも動物との共生社会、「人と動物が幸せに暮らせるまち札幌」を市民とともに目指すことが重要であり市民参画による取り組みを進めるべきと考えます。先月2月17日にNPO法人が提出をしました動物愛護センター新設を求める陳情が本会議で採択されましたが、動物の福祉向上をめざす動物愛護管理行政を進めるうえで動物愛護団体などのボランティア団体と札幌市との関係性は非常に重要であると思う。今回の動物愛護条例案では、人と動物が共生する社会の実現を目標としている中、ボランティア団体との関わりについて、他の都市の条例にはない規定がある。そこで動物愛護団体などのボランティア団体との連携協働について、今回の条例でどのように規定し、今後どのように取組んでいくのか伺います。

石田部長答弁
■今回、動物の愛護及び管理に関する条例案の第5条において、動物取扱業者及びボランティア団体などの動物関係団体の責務として、市が実施する施策に協力するとともに、条例の目的に則した自主的な取組を実施するよう努めなければならない旨を規定しており、他の都市には例の無い規定。現在も、動物愛護団体などと連携協働し、動物愛護に関する普及啓発のためのパネル展や収容動物の譲渡会など、様々な取組みを行っているところ。条例制定後は、さらに動物関係団体などとの連携協働の機会を増やすとともに、自主的な取組を促すよう協力体制を構築するなど連携した動物愛護事業を展開したい。

石川議員
■札幌市におきましては2007年から2013年にかけて犬の返還譲渡率が73.1%から97.1%に上昇し、処分数は172頭から8頭に大幅に減少し、その後殺処分ゼロを更新していると伺っている。猫においても殺処分が大幅に減少している。これは収容期間を延ばし、譲渡を促進してきた職員のご努力とボランティア団体が犬や猫の命を守るために殺処分される前に引取り、新しい飼い主に譲渡をしてきた活動によるところが大きいと思います。こういった活動を今後も継続するにあたって市の責務の中で動物関係団体との連携協働を示すとともに、動物愛護団体の責務が条例に位置づけられたことは大変に意義のあることと思います。札幌市動物愛護管理推進協議会の審議にも今後期待するところです。
先ほど動物愛護センター新設の陳情のお話もしましたが、新センター設置の目的の一つには動物の愛護や福祉を通じて子どもたちに命の教育が出来るということです。動物のことを知ることで、子どもたちは命の誕生や弱い者への思いやりなどを自然に学ぶことができます。命の尊さ大切さを学ぶことで自己肯定感にもつながり、子どもの権利の観点からも動物愛護教育は子供の成長を促すものと考えます。動物の愛護精神を普及啓発するためには、幼少期の動物愛護教育が大変重要と考える。
そこで今後の動物愛護教育については今回の条例の中で市の責務として、教育の推進を掲げているが、子ども未来局や教育委員会との連携が大変重要だと考える。そうした視点も踏まえて、条例施行後は具体的にどのような取組を実施していくのか。

石田部長答弁
■市の責務を規定した動物の愛護及び管理に関する条例案の第3条第1項第2号において、教育の推進を規定しているところ。現在も教育委員会や子ども未来局など関係局との連携を図り、動物愛護教室という事業を幼稚園、保育園を対象に、犬猫の触り方など紙芝居やぬいぐるみを使った出前授業を実施するほか、命の教室という出前講座を実施し、中学校などの道徳の時間の中で、動物愛護に関する授業を実施しているところ。条例制定後は、さらに動物愛護教育について、子ども未来局や教育委員会などの関係局との連携を密にし、動物愛護教室や命の教室などの出前授業の周知及び拡充に努めるとともに、動物愛護管理推進計画を策定する中で、教育の推進について協議を進めていきたい。

石川議員
■最後に要望です。動物愛護教育の推進に向けてしっかりと取り組んでいただきたい。
今後も引続き、動物愛護関係団体などボランティア団体との連携を含めて、札幌市の動物愛護精神の醸成について、市民とともに育んで頂くよう強く要望いたします。
また、今回、北海道内は元より、全国の動物愛護団体など札幌市の条例案については、犬及び猫にあっては、生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡をするよう努めることと規定したことに対して、賛成の意見が多くあがっております。本日10日付でNPO法人から札幌市愛護条例の生後8週間は親子を共に飼養する条項を応援する要望が14,433筆の署名を添えて議長あてに提出されたところでもあります。札幌市が動物の福祉の向上を目指して、本条例を制定することに賛成するとともに動物を飼育している人はもちろん、動物を飼育していない人や関心の無い人、動物を嫌いな人達にも理解の深まるよう条例の普及啓発等今後の取組の充実を求めて質問を終わります。

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「札幌市動物愛護及び管理に関する条例案」は、
3月29日(火)の本会議にかけられて無事に可決されれば、当日か翌日に公布となります。

この条例を基に、札幌市が「人と動物が幸せに暮らせる街・さっぽろ」となりますよう、
官民が協働し合い、いい街になっていけたらと願っています。



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posted by しっぽの会 at 16:37 | 札幌市動物管理センター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする