2016年02月22日

天売猫のシンポジウム

昨日エス・ワン動物専門学校さんにて開催された
天売猫のシンポジウムを拝聴してきました。

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基調講演が旭山動物園園長の坂東先生で、「共に生きる未来のために」と題され
北海道で年間14万頭が有害鳥獣として駆除されるシカなどの野生動物を例に
人と動物とのかかわりの中で、愛護、保護、保全・・などと言った多様な言い方があるが
きちんと整理しながら考えていくべきではないか、
動物には「使役」と言う役割もあり、人にとって有用な能力があったからこそ
人と一緒に暮らしてきた側面があり、決して愛玩目的だけではなかったこと

猫に関しても野生に生きている猫、人に管理されている猫
その狭間に生きる猫がいてもいいのではないか
猫がいるために、ねずみの被害が少ないのかもしれないし
自然環境と言うのは、複雑にバランスを保っていて
その調和が大切なんだという事をお話しされていました。

当会は、犬猫の保護団体ですから
犬や猫は全て人間の管理のもとにいるべきだという思いで活動をしていますが
坂東先生のおっしゃることも非常に共感できるものでした。


その後、パネリストの皆さまが天売の猫問題について
1問1答形式でお話しされ、特に今回は
住民の方からの地域事情もお聞きすることができました。

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動物問題は、その地域で実働している方にしかわからない事情もあり
外部の人間の意見は往々にして的外れな事も多いのですが
今回のシンポジウムで、長年天売の海鳥を調査研究されている
北大水産科学研究院の綿貫先生がおっしゃていたように
猫についても個体識別や継続したモニタリングが必要で、猫をすべて島から出すという事ではなく
ねずみなどの諸問題も絡むことから、何頭ぐらいが飼育数、生息数として妥当なのかが見えてくるだろう
と言うご意見はごもっともだと思いました。

現時点での島に生息する猫の繁殖制限は終わっているのか
およそメスが何頭オスが何頭残っているのか、せめて個体識別だけでも行わなければ
環境省から予算のついている事業が一体いつまで続くのか
その目途さえも一般市民にはわかりません。

ホームページ上でも、本日のシンポジウムでも最も大切なポイントである
現在の島の猫の生息状況が提示されていないので
今後の改善に期待したいと思いました。
より一層道民の理解も深まることと思います。

http://teuri-neko.net/

興味のある方は是非天売の猫問題、ご覧になってください。

北海道では平成26年度の猫の殺処分数は729頭、札幌市は680頭でした。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h26_dog-cat2.pdf
この中には健康で人馴れした何の問題もない猫たちも含まれています。



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posted by しっぽの会 at 10:49 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする