10月11日(金)、浜中町と釧路保健所から4頭の犬を引取りしました。
前日の10日(木)には、釧路総合振興局主催の令和6年度厚岸町・浜中町野犬対策会議が行われ、11日(金)は厚岸町と浜中町の野犬の現場の視察に行ってきました。
(この時の視察は、改めて近日ご報告させていただきます)
最初に浜中町で多頭飼育されていた未避妊のメス2頭を引き取りました。
犬たちはアラスカンハスキーとシベリアンハスキーのミックスで観光用の橇犬でした。
元々、不適正に25頭が外飼育されていましたが、関係者の皆さまのご努力でオス3頭・メス2頭までになりました。
オスは去勢手術済みでしたが、メス2頭は不妊手術されておらず年齢は高いですが妊娠の心配もありました。
高齢ですが見た感じは元気いっぱいで明るく懐こい犬たちでした。
さすが橇犬だっただけあって、瞬発力と引き力が滅茶々強く、若いころの力はどれだけあったのかと想像しました。
家庭犬のしつけはされていないので、これから訓練をしていきます。
サンジー。
6種混合ワクチン接種とフィラリア検査は済んでいました。
動物病院を受診し健康診断を行った結果、体重18.7キロ、推定年齢は10〜12歳とのこと。
歯石がついていたのと右側歯茎に小さい腫瘤がありました。
目は白内障になっていましたが、触診は問題ありませんでした。
避妊手術とマイクロチップ装着は後日です。
性格は明るく人懐こい子でした。
ロビンも未避妊のメスです。
年齢はサンジ―よりも若い8〜10歳のようです。
6種混合ワクチン接種とフィラリア検査は済んでいました。
動物病院を受診し健康診断を行った結果、体重18.3キロ、目も歯も綺麗でした。
心音、触診にも問題はありませんでした。
避妊手術とマイクロチップ装着は後日です。
ロビンも明るく懐こく、力も強くパワフルです。
七(なな)は、厚岸町で保護された野犬で厚岸町からの引取りです。
浜中町の動物病院に収容されていました。
動物病院では、当会の行政機関譲渡犬猫助成金で不妊手術をしてくださっていました。
6種混合ワクチン接種済でした。
健康診断とフィラリアの検査、マイクロチップ装着を行いました。
フィラリは陰性でしたので一安心、体重は8.7キロでした。
推定年齢は6〜8か月とのことでした。
性格は臆病で、嫌なことをされると口が出ますが、まだ若いので伸びしろはいっぱいです。
七は、不妊手術で開腹した際に妊娠初期だと分かりました。
生まれて1年も経たなくても発情し交尾すれば妊娠し、厚岸町でも浜中町でも次々と野犬の子が産まれ飽和状態で行き場を失っています。
最後に暗くなってから釧路保健所に到着。
老犬のオスを引き取りました。
アロエと命名しました。
睾丸腫瘍もあるので早めに去勢手術を行うことになりました。
健康診断の結果では、年齢は12〜14歳とのこと。
痩せているのでもう少し様子を見て、元気食欲が大丈夫なら混合ワクチン接種を考えることになりました。
フィラリアは陰性でした。
白内障もありあまり見えてはいないようですが、何となくは見えているのかぶつかることなく歩いて少し反応もありました。
歯は歯石はついてますが高齢の割には綺麗で、心雑音は少しありますが酷くはありませんでした。
また尿検査で細菌が大量に出ていて少し潜血反応もあり、なんらかの炎症があるとのことで抗生剤が処方され再検査することになりました。
保健所でも駆虫してくださっていましたが、便検査では回虫卵が出ていたので駆虫薬を飲ませました。
レントゲンで見る限り肺は綺麗で、睾丸腫瘍等の転移は今のところ見られなかったので一安心です。
肝臓が少し小さめのようですが、栄養失調等で肝臓が小さくなることがあるそうで、また肝臓数値が高めで尿中にも細菌が多いので、栄養状態のケアと肝臓の薬を飲ませ1〜2か月後に再検査することになりました。
また保健所では、癲癇発作もしているそうなので様子も観察することにしました。
高齢でケアもされてこなかった子なので、今後少しでも健康になれるようにしてあげたいです。
保健所では鶴居村を彷徨っていて保護された子なので、親しみを込めて鶴じぃと呼ばれていたそうです。
おそらく遺棄されたと思われますが、よくぞ事故にも遭わずに無事に生きていたことに感謝です。
多頭飼育されていたサンジーとロビン、野犬だった七(なな)、遺棄されたであろうアロエ。
全ては適正に飼育してこなかった飼い主に原因があります。
犬たちは野生動物ではありません。
人に寄り添わなければ生きていけません。
飼い主は犬に信頼される人であって欲しいと願います。
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2024年10月18日
人や社会に慣れていない=保護犬との暮らし方 釧路市での講習会のご報告
HOKKAIDOしっぽの会は、10月6日(日)、第4回目となる=人や社会に慣れていない=〜保護犬との暮らし方〜 講習会を釧路市で開催、34名余りの皆さまがご参加くださいました。
実際、野犬が多い地域の自治体の職員の方や保護団体の方、獣医師の方、愛護推進員の方等、関係者の方の出席が多かったのも道東地域の特徴でした。
保護犬を迎えて飼育の仕方が分からず悩まれる方や散歩中や家から逃がしてしまったりされる方も多くおられ、こうしたことを当会でも危惧していましたので、それが昨秋から始めた保護犬の講習会を開催するきっかけでした。
そして当会の飼育に関わるスタッフが持っている知識や経験を何とかお伝え出来ないかと野犬の多い地域の道東地域で講習会を開催する運びとなりました。
講師は当会の犬に関わるスタッフの朝利麻奈と福山聡美です。
最近、人との関りが少なかった保護犬をお迎えてくださる方が増えて、犬を迎えてくださる選択肢の一つになったことは大変喜ばしいことです。
一方で直ぐに逃がしてしまい悲しい結末を迎えたり、飼育法が分からずコミュニケーションが取れずに悩む方もいらっしゃいます。
実際、保健所や保護主からも保護犬が脱走・逸走する案件も散見されていますが、こうしたことは決して珍しいことではありません。
飼育には常に失敗や緊張が伴います。
ですが、知識や経験、認識することでリスクを減らしていけると思います。
北海道の道北・道東・日高管内は野犬も多く、道内でも野犬の子犬をお迎えされる方も多くいらっしゃいます。
人や環境に慣れていない社会化していない犬は、一般的な犬を飼育するのとは違った、ちょっとしたコツや心のあり方などがあります。
特に道東、道北地域は恒常的に野犬が多い地域ですので、保護犬に関わる方やお迎えされる方等、多くの方に聴いていただきたい内容でお伝えしました。
野犬の保護犬の飼育に携わる当会のスタッフが、どうしたら良い関係を築くことが出来るのか、日頃のお世話や経験から得た実践的なノウハウをお伝えしましたが、散歩の仕方やハーネス等の装備品、つけ方など、なぜ必要なのかも含め丁寧にお伝えしました。
この講習会を通じて皆さまにお伝えしたかったことは、「人や社会に慣れていない保護犬」も深い愛情を注ぎ、時間をかけて向き合えばその分、応えてくれるということです。
その犬によってどの位で変わってくれるかはまちまちですが、犬をよく観察し根気強く接すれば信頼関係が生まれます。
犬は野生動物ではありません。
人に寄り添わずに人なしでは生きていくことは出来ません。
人と生活する幸せや安心して過ごせる家がある幸せを感じながら終生暮らすことが出来るようにと心から願っています。
この講習会が人も犬も幸せに暮らすことの一助になればこんなに嬉しいことはありません。
今後も様々なテーマで保護犬についての講習会を開催予定です。ぜひ参加ください。
<終了しました>
=人や社会に慣れていない=保護犬との暮らし方
日時:2024年10月6日(日) 14:00〜15:30(13:30 受付)
会 場 : 釧路市生涯学習センター「まなぼっと幣舞」802・803会議室
住 所 :釧路市幣舞町4番28号
講 師:HOKKAIDOしっぽの会スタッフ 朝利麻奈 福山聡美
主 催 :釧路総合振興局 環境生活課
後 援:釧路獣医師会
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講習会内容 :
第1部【保護犬との暮らし方や心得】
事故防止対策、信頼関係の築き方、共に暮らす上での心得など
第2部【臆病な犬との接し方としつけの仕方】
対峙をしないなどの接し方や触れ合い方、しつけのタイミング方法など
最後に質問応答
※飼育に関するテキストや事前にいただいたご質問のご回答は資料として配布いたします
※予約制
※入場無料
定員40名
会場の釧路市生涯学習センター「まなぼっと幣舞」側の観光名所の幣舞橋。
機会がありましたら、道内の他の地域でも開催させていただきますのでお声掛けください。
また、当会の卒業犬に関わらず人や社会に慣れない犬の飼育でお悩みの方のご相談もお受けしています。
ご相談はメールでお送りください。
Eメール:info@shippo.or.jp
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