2024年05月19日
第2回=人や社会に慣れていない=保護犬との暮らし方講習会のご報告🐕
5月11日(土)、札幌市動物愛護管理センターあいまるさっぽろで開催しました第2回目となる「=人や社会に慣れていない=保護犬との暮らし方」講習会のご報告です。
会場には、事前にご予約くださった43名の参加の皆さまとボランティアさんの50名が受講してくださいました。
一口に保護犬と言っても、家庭犬として暮らしてきたコミュニケーションの取れる犬もいれば、散歩も人とのコミュニケーションもなかったネグレクトされていた犬、餌を貰うことだけでしか人との接点がなかった犬など様々です。
講習会は、人や社会に慣れていない臆病で怖がりな犬をお迎えされた方、お迎えを検討されている方向けの内容で、どうしたら良い関係を築くことが出来るのかスタッフによるハウツーを学ぶ実践的な講習会でした。
最初に、逃がさない飼育管理方法や注意点、対策についてお話しいたしました。
そして不妊手術のメリットや保護犬との関わり方、信頼関係を作る大切さ、事故から犬を守るために「オスワリ・マテ・呼び戻し」などの基本的なしつけが大切であることなどお話ししました。
また、実際に飼い主さまからご相談のあった事例について、問題点を項目別に整理してお話させていただきました。
諦めずに克服できることもあれば、個性として受け入れることも大事であることのお話では、その見極めは飼い主さまの観察眼にかかってくると思いますので、日頃から様子を観察していただけたらと思います。
次に当会の、半野良だった子や多頭飼育崩壊から引き取りした犬の動画をいくつかご覧いただきました。
ちょっとした隙間から脱走する様子や首輪抜けしそうな様子(安全のためドッグラン内で撮影しています)上手に歩けず右往左往する犬の様子などご覧いただきました。
犬のしつけ教室は、一般的には家庭犬向けのものがメインで、人や社会に慣れていない犬のしつけ教室は皆無に等しいと思います。
このような講習会は珍しいですが、まさに皆さまが知りたかったことが詰まっていた内容だったと思います。
二部では、臆病な犬との接し方やしつけの仕方について講習しました。
人に慣れていない犬とのコミュニケーションの方法や環境づくりなどお話ししました。
犬に気を遣いすぐることなく、強く・優しい飼い主さんを目指してください。
装備品についてもお話し、安全に配慮したお散歩用具の首輪やハーネス、リード等の装備品をご紹介しました。
当会では、安全にお散歩できる犬でない限りはダブルリードをお薦めしていますし、ハーネスも簡単に抜けないものをお薦めしています。
実際に当会で使用しているものもご紹介し、機能性を重視し犬の性格や状態を考慮して装備品を使い分けてください。
その後は、質疑応答を行いました。
皆さま、熱心にメモを取って真剣に聴いてくださいました。
そして、我々も含め、保護犬の譲渡を行っている行政機関、愛護団体、個人のボランティアも、救っていくだけでなく、譲渡する責任を強く持たなければと思いました。
その後、今後の参考や励みとさせていただきたく、感想文をお願いしましていましたが、全員の方が提出してくださいました。
ご感想をまとめさせていただきますと、
・保護犬の預かりをしているが、その子をよく見てその子に合った対応をするのが大事と思ったと同時に一貫した大切な事柄も重要と感じた。
里親になる方に逸走対策について伝えているが温度差を感じる。動画を見て気を引き締めたいと思う。
・5歳の保護犬を引き取り1年半。これまで保護犬ではない6頭の犬を看取ったが、その経験は全くと言っていいほど役立たない状況。別な生き物と考え根気強く向き合っていきたい。
・初めて参加し、良い機会になった。保護犬というワードをよく耳にするが、しっぽの会はアフターケアもしているので引き取り手も安心では。
・スライドや動画を見て学べた。脱走の対処法や犬との距離感について得ることが出来た。リードやしつけの必要性について理由の説明があり必要性が分かった。
・分かりやすく丁寧な資料だった。今後の預かりボランティア活動に役立てたい。臆病な子なので、講習会の内容を取り入れてやっていきたい。
・動画があって良かった。保護犬を引き取った家族の生の声がもっとあった方が良いと思う。
・先住犬がいるので、相性を一番に考える。先住犬のストレスにならないか、時間が解決してくれるのか。理想は寄り添って生活できること。慣れるには時間が必要。
・既に保護犬と生活しているが、飼う前に聞きたかった。他の保護施設では飼育の注意点がなく散歩中に二度逃がしてしまった。講習会の知識を残し、気長に付き合っていこうと思う。
・分かりやすく勉強になった。譲渡時に渡すと良い資料だった。先住犬の咬み殺し事故も発生している。団体間でも、フリーで留守番させることや何年たっても危険なことも意識共有して欲しい。
・家の保護犬は大人しく安心していたが、動画を見て逃がしてしまうことがあるので気を引き締めたい。
・講習会の企画と活動に感謝。愛情をかければ何とかなると2歳の保護犬を勢いで飼い反省。しっかり学ぶことが大切。お散歩大好きなので、ハーネスを見直し練習を重ねていきたい。
・臆病な犬の飼育は思った以上に大変と知る。考えもよらない脱走に驚いた。しっぽのスタッフのしつけの向き合い方も素晴らしい。
・保護犬・野犬の飼い主さん同士の繋がりの場があると良い。行政と道内の保護団体との連携にも期待。保護犬猫を札幌で募集すれば活性化されるのでは。野犬がテーマの話も聞きたい。
・今まで自分たちなりに考えてやってきた。装備品についても貴重な情報だった。
・一つづつ危険性や対処について話が聞けて良い機会になった。実際のしつけ方や装備品
についても知れたし、要求吠えの対応も気の強いこと弱い子とでは違うことも分かった。
・逃がさない、放さないことの大事さや時間をかけて向き合うことの大切さを学んだ。他の犬や猫を咬み殺した現実を知ったが、環境を整えいつか保護犬を迎えてみたい。
・今日学んだことを実践できるよう日々努力したい。
・ケージからの脱走や破壊された家具の動画を見て実感した。装備品についての詳細が伝わり、危険を常に意識し、大切な家族を守っていきたい。
・犬の性格に合わせた対応が再確認できた。
・しっぽの保護犬を引き取りたいと思うが、ハーネスや接し方等、いろいろ知れた。
・犬の飼育の基本を学べて良かった。定期的に学べる機会が欲しい。
・保護犬を迎えたいと思っていたが、関わり方など考えさせられた。根気よくいろいろな姿を見れるように関わっていきたい。脱走、逸走も周囲にも注意してもらえるよう考えます。
・昔、外で犬を飼育していて、今よりずっと短命だった。不幸な子を増やさないよう、ブリーダー、多頭飼育、ペットショップにも規制が必要。
・なぜ室内だけで飼うのか?実際、子犬から外で飼育していたが、長生きし懐いていた。今後、保護犬を迎え、脱走対策をして外と室内と自由に飼育したい。SNSで外飼いは虐待と見かけるが、その犬に合っている環境なら良いのではないか。外飼いについても肯定できる世の中になって欲しい。
・犬が散歩を嫌がるからと止めてしまわず、少しづつできることを増やしていくのが良いことが分かり勉強になった。
・経験に基づいた細かな説明が参考になった。臆病な犬を飼育しているが、年単位での人慣れになると覚悟していたので、ゆっくり接していきたい。室内で自由に過ごさせるのは危険なこともあると分かった。
・人慣れしている犬とは扱いが違うことが分かった。具体的で分かりやすい説明や動画があって良かった。
・動画、説明、写真がたくさんあり分かりやすかった。
・いつか保護犬を迎えたい。人や社会に慣れていない犬との関り方が想像以上だった。一緒に幸せに暮らしていくために環境や装備品、対策をきちんとしてから迎えたい。しっぽの会が、保護して譲渡のためにトレーニングしてくださり感謝。
・体験型の講習会も経験したい。
・6歳で引き取った犬がいるので、改めて安全面に気を付けたい。違う内容の話も聞きたい。
・現在飼育している保護犬に対する接し方の答え合わせが出来たようで勉強になった。2頭目を考える際の参考にしたい。
・野犬の子を2頭子犬から飼っている。気質の違いもあり日々勉強。また保護犬の預かりもしているので、社会化期や散歩の練習など段階を踏む方法を知れた。
・保護犬を迎える前に参加出来たら良い。動画を見て逃げ出す危険を知れたことで脱走する
犬が減るのかも知れないと思った。
・成犬の保護犬を迎えて2か月が経ち、関わり方を悩んでいたところ、無理せず犬の様子を見て、気長にかかわっていくことを知れて良かった。
・保護犬を迎えて2か月になり、気になることが増えた。これからの接し方や家族間のしつけ等の統一など学べた。
・コマンドが上手くできない子に対してのしつけ講習会も検討して欲しい。攻撃的な犬、高齢犬、コミュ症気味の犬等。
以上のように、ご参加くださった多くの方から大変励みになるお言葉をいただきました!
本当にありがとうございました!
講習会の内容は、安全に安心して暮らしていただきたいので、ネガティブに感じることも多かったと思います。
ですが、それは裏を返せば、そのキーポイントを抑えていただくことで、安全に配慮して飼育でき、「犬も飼い主も幸せに暮らせる」ことに繋がります。
配布させていただいたテキストを保存版として時々読み返し、犬との暮らしに役立てていただけたら幸いです。
野犬として生まれ育った犬、劣悪な多頭飼育現場で過ごしてきた犬たちは みな、人間のせいで そうならざるを得なかった犬たちです。
人と暮らすこと、家庭で暮らし始めることに対して初めは大きなストレスを感じる犬も多いです。
しかし、そのストレスや不安の壁・苦手の壁を飼い主さまと一緒に乗り越えていくことで、今まで感じてこられなかった「人と暮らすことの幸せ」「安心して過ごせる家があることの幸せ」を感じ、幸せに暮らしていくことができます。
世間的にも保護犬に対しての考えや関心は深まりつつあるとはいえ、近年でも野犬や問題のある犬は処分されている現実もあります。
その野犬や問題のある犬を生み出しているのは人間です。
これからは不幸な命を生み出さない、そして犬も人も幸せな未来を築いていけるように、飼い主一人ひとりが責任と愛情を持ち 保護犬に対する知識や技術を習得していかなければいけない時代です。
人間の都合で失われる命がなくなりますように・・そして終生、人と幸せに暮らせることが当たり前の世の中になりますように願って、これからも一生懸命活動してまいります。
<終了しました>
=人や社会に慣れていない=保護犬との暮らし方
日時:2024年5月11日(土) 13:00〜15:00
会 場 : 札幌市動物愛護管理センターあいまるさっぽろ
住 所 :札幌市中央区北22条西15丁目3-6
主 催 : 認定NPO法人HOKKAIDOしっぽの会
共催:札幌市動物愛護管理センターあいまるさっぽろ
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<講習会内容 >
第1部【保護犬との暮らし方や心得】
事故防止対策、信頼関係の築き方、共に暮らす上での心得など
第2部【臆病な犬との接し方としつけの仕方】
対峙をしないなどの接し方や触れ合い方、しつけのタイミング方法など
最後に質問応答
※飼育に関するテキストや事前にいただいたご質問のご回答は資料として配布いたします
※予約制
※入場無料
※定員40名
保護犬をお迎えされて、どう接して良いか分からずに試行錯誤され、自信を無くしたり、どんどん負のスパイラルになってしまったり・・・。
この度の講座は、そうした事案が散見されるなかで、私たちだからこそお伝えできる、お伝えしなければならないと、当会のスタッフが、日頃のお世話や経験から得た実践的なノウハウをお伝えいたしました。
そして、この講習会が、お悩みをお持ちの皆さまのお力になれたことや仲間がいると実感できたことが何より嬉しいことでした。
3回目の開催日は未定ですが、皆さまのご意見を参考にさせていただき、少しでもお役に立てるよう研鑽したいと思います。
どうぞお楽しみに☺
ご参加くださった皆さま、札幌市動物愛護管理センターあいまるさっぽろさま、本当にありがとうございました!
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