2月、千歳市内で犬の多頭飼育崩が発生し、石狩振興局と愛護団体と協働で取り組むことになりました。
石狩振興局管内は、繁殖業者やペットショップが多く、ペットを扱う大型店も多数あります。
この案件は、10年ほど前には廃業した繁殖業者が飼育している犬をこれ以上世話が出来ないと振興局に相談したのが始まりでした。
飼い主の元には年老いた犬を中心に、大型犬4頭と小型犬の純血種25頭がいて繁殖に使われていた犬や若い犬も数頭いました。
当会が、相談を受けた翌日、衰弱の激しい犬が3頭程いると伺い、いてもたってもいられず、最優先でその3頭を引き取りしました。
推定8〜10歳のラブラドールのオスはピュアと名付けました。
ガリガリにやせ細り、歩くのもやっとでフラフラでした。
<腫瘍が酷いので、モザイクをしています>
口の中いっぱいにメラノーマと思われる腫瘍ができてました。
レントゲンでは今のところ肺への転移はみられませんでしたが、ゴハンも食べられていないようで栄養状態も悪く、入院し点滴とステロイド投与することになりました。
お陰さまで入院したかいもあってゴハンを食べ出し、2月9日に退院、2月13日には予約していた酪農学園大学病院を受診し、血液検査、レントゲン、エコー検査しました。
右足が腫れて出血していましたが、削痩し栄養状態も悪く腫瘍も抱えているため、DIC(播種性血管内凝固症候群)発症と思われました。
血栓が詰まり多臓器不全になってしまう可能性があるので、今はDICの治療と栄養状態の改善からしていく必要があるそうで、このままでは検査のための麻酔もかけられないのでCT検査もできませんでした。
手足を動かしてあげることで筋肉がつき、免疫も上がってくるので、なるべく動かしてあげることや、まだ脱水もあるので皮下点滴は続け、処方された薬を飲ませて2週間後に再診することになりました。
以前に札幌市動物愛護管理センターから引き取りした腫瘍のあったミニチュアダックスのロバートの時もそうでしたが、腫瘍の治療を開始したくても、状態が悪く体力をつけることが優先でした。
今はとにかく、診察や手術に耐えることの出来る体力をつけることが課題です。
推定8〜10歳のミニチュアダックスのメスはチョコと名付けました。
首とお腹とお尻に腫瘍があり、お腹の腫瘍は乳腺腫瘍と思われます。
飢えを経験している子は特にそうですが、ゴハンはモリモリ食べていました。
歯石も酷く、右上の歯茎に穴が開いてました。
避妊手術時に一緒に口のケアもすることになり、血液検査の結果では肝臓の数値が高めでした。
今できることは、良質なフードを食べて手術できる体力をつけることです。
推定8〜10歳のメスのチワワはレートと名付けました。
元気がなく、呼吸が変で苦しいのか歩きません。
しばらくご飯も食べていないようで胃も腸も空っぽでした。
肛門から棒入れて便の採取を試みましたが、やはり便はありませんでした。
脊椎の一部分が炎症なのか骨の異常なのか異常が見られ、そのせいで気管支がカクカクと折れ曲がっていました。
何等かの異常がある部分が原因で肺が圧迫されているのか、気管支が狭くなっているのかで苦しいと思われ、肺の炎症等も考えられました。
入院して酸素室に入り点滴と抗生剤の投与しました。
その後は、酸素室から出ても元気にゴハンも食べれたので9日に退院出来ました。
今後は、心雑音が酷くレントゲンでも肥大が確認されたので心臓薬を飲み、抗生剤も続けることになりました。
気管支の狭窄等が原因で苦しいと思われるためCT検査等する予定です。
<犬のM基金さま>
2月9日(金)には、石狩振興局さま、犬のM基金さま、ディアライフさまとしっぽの会で、現地ににいる犬を引き取って来ました。
多頭飼育崩壊現場はどこもそうですが、強烈なアンモニア臭が鼻を突き、犬たちもケージに閉じ込められたままのため体は糞尿で汚れ、悪臭が染み込んでいました。
前日と前々日に4つの保健所に搬送した犬11頭を除き、当日14頭の犬がいるはずでしたが、1頭は飼い主が連れ出していたため、結果13頭の引き取りになりました。
ケージに入ったままで生きてきた犬たち。
削痩した黒ラブは骨が浮き上がっていました。
大型犬は特に体に対してケージが狭く余計に可哀そうでした。
満足な食事は与えられていなかったようで、完全にネグレクト状態、動物虐待です。
ビーグルも1頭いました。
この子は比較的若いミニチュアダックスでした。
フードも底をついたとのことで、石狩振興局さまからお話を伺った際に、当会からフードと食器の支援を申し出させていただきました。
皆さまからいただいたドッグフードも当会の犬たちだけでなく、行き場を失った犬たちの現場でも使わせていただいています。
本当にありがとうございます!
黒茶のミニチュアダックス。
犬たちは、老朽化した汚れたケージの中にいました。
黒茶のミニチュアダックスは、3歳前後のようで若い子でした。
茶のミニチュアダックスは白内障です。
当会はこの子を引き取りしました。
年齢は8〜10歳とのことですが、目は真っ白で見えてません。
病院で健康診断を行いましたが、歯石が酷くグラグラの歯が何本かあり4本抜歯し、残りの歯は4本くらいしかなくなりました。
また外耳炎もあり洗浄をしていくことになり、乳腺腫瘍は避妊手術の時に一緒に手術することになりました。
このように、引取りした子たちにはさまざまな病気があり、早期に治療をしていたらここまで悪化することはなかったでしょう。
また、運動もされていなかったので、体全体の筋肉もなく、繁殖犬のリタイア後も不妊手術もされていないままでしたから、メスは乳腺腫瘍のある子が大半のようです。
いつも思いますが、繁殖業を営まれている方々にとって動物は命ある価値ある商品であったはずです。
現在は廃業されているとしても、この犬たちがいたからこそ商売が出来て、生活できたのではないでしょうか。
もっともっと動物たちを愛し感謝すべきです。
今年になって当会が引き取りした犬たちは、遺棄疑いや虐待の案件が多く、人間の身勝手さには正直憤り悲しくなることばかりです。
どうしたら、小さな命を慈しみ大切にする社会になるのでしょうか…。
罰則を厳しくすれば無くなるのか…
罰則はあった方が良いですが、人の心が豊かになるのは幼いころからの教育と環境だと思います。
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