2022年08月07日

8/1.8/2 厚岸町・浜中町の野犬視察と野犬対策会議について

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8月1日(月)、2日(火)、道東の厚岸町、浜中町の野犬の視察と野犬対策会議に行ってきました。

会議は釧路総合振興局保健環境部環境生活課と釧路保健所、厚岸町環境林務課環境衛生係の職員の方と浜中町で開業されている獣医師の先生、当会代表とスタッフの計9名で開催しました。



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最初に浜中町の獣医師さんに同行していただき厚岸町糸魚沢の国道沿いに住み着いた野犬4〜5頭の視察に行ってきました。

住人の方が捕獲に協力くださっていて、役場が仕掛けた檻に何度かかかっているのですが、檻を壊して脱出したりしていたため、住民の方が檻に工夫をしたりがんばってくださっていました。

野犬は1年半くらい前にひょっこり親子らしい2頭で現れ、住民の方に餌を貰っていたようです。

母犬が出産し5〜6頭の群れになり、国道沿いであることから交通事故に遭っていなくなった犬もいました。

当然、住民の方も問題意識は持っておられ、手作りで箱ワナを作ったり、犬たちを助けたいと動いていらっしゃいます。

早急な対応が必要なことから対策を話し合いました。



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次に昨年11月にも伺った浜中町の酪農家さんを訪問しました。

昨年、敷地内に住み着いていた十頭余りの野犬の不妊手術は3頭を残すのみとなっていました。

これは、地元で野犬対策に尽力されている獣医師の方のお力によるもので、地道に不妊手術を施してくださったお陰で繁殖を止めることがほぼ出来ていて、牧場主が飼い主になってくださったり譲渡もされていました。

野犬は、敷地に住み着いて牛の飼料を食べたり、餌を貰っている半ば飼い犬のようになっている犬と決して人の側には寄りつかない山中で自活している野犬がいますが、このように人との接点がある野犬については成犬であっても環境に十分に配慮することで譲渡が出来ますので希望を持つことが出来ます。

これまで、酪農家さんの敷地に住み着いている犬たちは、不妊手術を行っていないため繁殖を繰り返し負の連鎖が起こっていましたが、良い事例となりましたので獣医師の先生には本当に感謝しかありません。



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昨年令和3年度、釧路保健所では、成犬1頭と子犬45頭、離乳前の子犬4頭を厚岸町から引き取りしていますが、今年は保健所に収容された子犬も前年度より少なくなっているとのことでした。

野犬の問題は、元はと言えば、棄てられたり係留せずに飼育されていた未不妊の犬たちの末裔と思われ、原因を作ったのは人間(飼い主)であると考えられます。

銃殺や薬殺等の非人道的なことは誰も望んでいないと思います。

ですが、野犬の根本的な対策を講じなければ、地域で共生していくことは難しくなります。

これを断ち切るには、子犬の早期不妊手術を含む不妊手術の徹底と終生飼育していくことに尽きると思いますが、この牧場では対策が間に合わず子犬が12頭産まれていました。

牧場主の方も今度は必ず実行しますと約束してくださり計画していくこととなりました。



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厚岸町の海側の床潭地区。この地域は、漁業被害があるため野犬は迷惑な存在になっていると伺っていましたが、現在な苦情は確認されていないようなお話でした。

ここも役場で捕獲が実施されていなかったため見たことの無い毛色の犬が増えていました。

住民との話し合いも進んでいないのか役場でも把握しておらず、野犬対策関係者会議で画像を見てもらいました。

正直、危機感への温度差があり、それが対策を遅らせる原因になっていると思います。

対策を練らなければ行き場を失う命がただただ増えるばかりです。



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町中には、鹿の群れが土手の草を食べている光景があちこちで見られました。

役場では、キタキツネの苦情が多くその対策に追われていて、正直野犬のことは殆ど進展している感触はありませんでした。

地域性の差は大きいとは思いますが、動物愛護管理法では犬は愛護動物です。

キーパーソンになっている獣医師の方がいらっしゃらなければ、もっと野犬は増えていましたので、先生のお力によるものが大きいです。

当初の構想通り、捕獲・譲渡前不妊手術、譲渡の流れを作って行けたらと考えていますが、町はもっと積極的に介入し欲しいと心から願っています。

現在の厚岸町畜犬管理及び野犬掃とう条例の前身となる厚岸町畜犬取締及び野犬掃とう条例は、昭和34年に制定されているそうです。

昭和34年以前から野犬問題があったものと考えられますが、平成25年度、『動物愛護管理法』が改正され、自治体は殺処分がなくなることを目指して、引き取りした犬猫を出来る限り返還し、譲渡するよう努めることが明文化されました。

また、近年の動物愛護の意識の高まりからも、動物の愛護と管理に関する行政の社会的な要請は益々高まっています。

広大な北海道、地域によって風土や文化も違いがありますが、小さな命を大切にし「人と動物が共生する幸せな社会」の実現を目指していただきたいです。


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posted by しっぽの会 at 10:05 | 北海道立、市立保健所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする