皆さんは、野良猫を見て悲しい気持ちになったり、
何かしてあげたい、出来ることはないかと思ったことはありませんか?
そんなときって、何かの行動を起こすことで救われる命があるかもしれません。
そこで今回ご報告するのは、札幌市白石区北郷での案件です。
この案件は、飼い主に捨てられ、建物が撤去された空き地で
野良生活を送っていた10頭余りの猫の事案で、
8頭の猫が札幌市動物管理センター(以下、市センター)に収容され、
産まれたばかりの乳飲み子4頭は当会で引き取り、
預かりボランティアさんが授乳しています。
事の始まりは
近隣市民方から当会に通報いただいたこの案件は、
餌付けされた野良だったのか、遺棄にあたるのか、
いやいやはっきりしないなら迷子で扱うべきなのか、
地域住民に保護主さんが方がいない、
近隣の事業所では猫による被害があって市センターに苦情の連絡を入れていたこと、
また札幌市の地域猫事業のいくつかの条件にも当てはまらず、
不妊手術を行ってから現地に戻すTNR出来ないこと等、八方塞がりの状況でした。
次なるステップへ
そこで当会は、こうした案件がひとつの道しるべになればという思いで、
市センターに相談させていただき、
一緒に現地に赴き、通報くださったご相談者や
空き地の地主の方と4者でこの案件の方向性について協議しました。
飼い猫か野良猫か判別が難しいことや
仮に野良猫だとしてもこの案件では地域猫にすることも難しく、
イレギュラーに迷子猫として扱ってくださることになりました。
関係者の連係プレーで
この案件は、今月8月いっぱいで終了することになっていますが、
見事な連携プレーで良い方向に導けたと思います。
流れとしては、
@現地での猫を捕獲する前に、地域住民の方に周知するポスターを当会で作成、
該当地区の土地の管理者の方がポスターをポストインしてくださいました
A最初に通報くださった近隣の方が捕獲の協力、当会で捕獲機を設置し、
同時に捕獲後に市センターに搬送できる人や
現地に様子を見に行ける人のグループラインを作りました
また、共通認識として、妊娠の疑いや怪我があった場合は、
搬送前に動物病院で診察していただき(当会で費用負担)、
市センターに事前に猫の状態をお知らせすることにしました
➂捕獲出来たら、平日16時までに市センターに搬送する
C市センターでは、迷子期間終了後に不妊手術を行ってから譲渡対象にする
このような一連の流れで行いました。
円滑に進められたのは、保護に関係している人たちのグループラインで、
出来る人が出来ることを出来る限りすることで、
お互いに必要以上に無理することなく協力できるようにしました。
現地は市街化調整区域と隣接していて、住宅の戸数は少なめでした。
住民の方の飼い猫が、捕獲機に入らないように現地にポスターを掲示したり
住宅にポストインしました。
現地はキツネの巣穴もあるほど、キツネが多く、
地面に捕獲機を置くとキツネによる被害が起きるので、
ケージをに段重ねにして上段に捕獲機を設置しました。
市センターに収容された収容猫19,20,21,22,23,24,25,27の8頭の成猫たち。
市センター飼い主募集猫
https://www.city.sapporo.jp/inuneko/syuuyou_doubutsu/jotoneko.html
威嚇する猫が多いですが、徐々に環境に慣れてきました。
何より、連日の猛暑でしたので、
飢えや暑さから解放されたので安心しました。
7月9日に捕獲し市センターに収容されたF22、愛称ひらめは、
推定6歳のキジトラの去勢オスです。
最近は職員さんを目で追ったり、気にするようになったそうで、
手袋をはめて撫でるとコロンと横になっていました。
小さなゴロゴロも聴かれ、少しづつ心を開いている様子で、
この子が一番慣れて来ています。
保護時は困惑した顔で怒っていました。
収容猫F27、愛称のりが7月19日に出産した4頭(オス2・メス2)の子猫。
のりは初産なのか子猫が産まれてもキョトンとしていました。
初乳は飲ませたようですが、その後、子育てを放棄したため、
当会で引き取り、現在預かりボランティアさんが授乳してくださっています。
飲みっぷりも良くスクスク成長し1か月になりました。
のりはその後、市センターが北大で不妊手術を行いました。
幸せな家庭猫を増やしていく
家族として大切に飼われている猫がいる一方で、
同じ猫なのに苦難な生活を強いられている理不尽さ。
氷山の一角ではありますが、ひとつ一つの事例に全く同じものなどありません。
出来ることを探して、1頭でも幸せな猫を増やしていく・・・
当会はだけの力では限界があり、多くの猫を助けることは出来ません。
出来る人が、出来ることを、出来る限り、快く行う、
そんな思いやりと優しさに溢れた社会を創っていけたらと思います。
そして、一人一人が、何かで手を差し伸べる一歩が大事なのだろうと思います。
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