7月7日に預かりボランティアさんのお宅に引き取られたスノーが、
8月28日に虹の橋へと旅立ちました・・・。
預かりボランティアさんの細やかな愛情で2か月あまりの至福の
最期の時を過ごすことができました。
本当にありがとうございました。
以下預かりボランティアさんからご報告をいただきました。
先日28日午前10時30分に、スノウが息を引き取りました。
その旨を、ご報告したいと思います。長文です。
25日に、しっぽに遊びに行った時には、スノウはまだまだ歩けていました。
その帰りに苫小牧の街角を散策する程度には、おぼつかないながらも。
しかし以降、家の中でもふらふらとし、
よく転び、姿勢を保てず、水も自力では飲めなくなっていました。
27日の夕方、姿勢を保つ力もなく、立ち上がろうと足をバタつかせますが、
補助して体を持ち上げても、糸の切れた人形のように、すぐにへたれ込んでしまいました。
加えて噴水のような下痢便を何度もし、切なげに声をふり絞って鳴いていました。
もう食べる気力もないようで、とっておきにしていた鰻の蒲焼も飲み込まずに
口から落としてしまい、水をかろうじて飲むくらいで、
あとは、少し休んで声をあげ、足をバタつかせては失禁する、の繰り返しでした。
できることといえば傍にいて、一人ではないよと頭や体を撫で、鼻先を濡らして、
うんちやしっこで汚れたならすぐにきれいにしてあげる程度で、
もう水も飲まなくなった姿を見て、ああ、覚悟をしなきゃいけないんだな、と、思うばかりで。
昼夜逆転していた節もあり、どちらかといえばスノウは夜の方が元気でした。
だから、きっと日が明けたなら、もう止められないだろう、と。
28日、しっぽに連絡して、点滴だけでも受けるために獣医へ出かける準備をしている最中に、
抱き上げたスノウの呼吸がゆっくりと、絶え絶えになっていくのに気が付きました。
最期はテラスで二人きり、最後のおしっこを出し切って、掠れながらに一声鳴いて。
スノウは、耳だけがきれいな栗色で、どうしてだかそこだけ艶もあって、
手触りがとても気持ち良かった。前足が、中型犬の割には大きく、
よく前足でホッピングしながら楽しげに歩いていました。
白内障なのに人の気配はしっかりわかる様子で、いつでもこっちに顔を向けニタニタしていたし、
耳もまだ通るようで、TVに視線をやっては不思議そうにしていることがありました。
鼻先に小さな禿があり、右目の下には大きな目ヤニ焼けがあって、
右前足にはけっこうなイボがあり、歯周病で息がくさい。
水を飲むと決まってむせ、むせても夢中で飲もうとするので、よく僕に止められていました。
夕張産のビーフジャーキーが好物で、一つあげるとニタニタしながら後ろをついてきました。
米沢牛のステーキが食卓に現れた時には、柱に体を持たれかけさせながら、
「それはもちろん、くれるよね」と、じっと僕らを見上げていました。
同居のサルサに耳を咬まれた時も怒らず、慣れてじゃれつくようになったサルサに、
前足を甘がみされてもクールに決め込み、サルサの体当たりで倒されても、何度でも起き上がり。
薬は大嫌いで、毎日無理やり僕に飲まされ、きっと嫌な思いもあったろうに、
次の瞬間にはニタニタと、恨み言も何もなく、どこまでもマイペースで。
スノウは、一体どんな犬だったか。散歩しながらよく考えていました。
かつてこの子にも本来の名前があって、仔犬の頃にはきっと、
目の前に広がる世界を夢中で駆け回っていたはず。
兄弟たちと、あるいは名付け親の人間と、その家族の誰かといっしょに。
丸い瞳に大好きな人の笑顔を映して、激しいばかりにしっぽを振って。
スノウは雪が大好きな犬でしたから、きっと、雪原を飛び跳ねて遊んだ、
そんな思い出があったのではと。
同時に人の手にびくつくこともあり、躾のためか、それとも何のためか、
人に叩かれた記憶もあって。
それでも人を好きでいられる姿を見れば、満たされた歳月がそこにあったように感じました。
家族と共に暮らし、頭を撫でられ、ごはんをもらい、散歩を楽しみ、
少なくともスノウがのんびり屋になる程度には、幸福な日々があったのだと思います。
何でも許してしまう、大らかな犬。だから、離別に何があったのか知る由もありませんが、
僕は、スノウが、それでも誰かを恨むことはなかったと思うのです。
置き去りにされたのだとしても、きっとスノウは、いつものマイペースで、
遠い家路についていただけかもしれません。
その道の途中で捕獲され、しっぽの会に来て、最後は僕のところへやってきた。
それらは全て帰り道のみちくさで、今も昔も、
この子が見ていたものは一つだったのかもしれません。
それは叶わない夢で、今となっては、帰り着くこともできない。
それでも、スノウなら、もう大丈夫な気がします。
たとえその理不尽が事実であったとしても、スノウとして、この子が生きた時間なら、
僕らは忘れることはありません。
それに、その夢が叶わなくても、もうひとりじゃない。
虹の橋を渡った先では、先に旅立ったスノウの友や仲間たちが、
スノウを迎えてくれているはずですから。
たった2か月でしたが、スノウの家族となれて、それはもう本当に良かった。
部屋中うんちだらけにされたことや、昼夜逆転な生活で寝不足になったことだって、
今は寂しさを覚えるほどに。
ただただ純朴に生きることを全うしたスノウに、感謝しています。
そして皆様にも、多大なご支援や応援を、今までありがとうございました。
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預かりボランティアさんとご家族に心よりお礼申し上げます。
足長会員の皆さま、スノーのご支援と応援、本当にありがとうございました。
皆さまとご一緒にスノーの冥福をお祈りしたいと思います。
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